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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第4章 脱童貞! 宮本小次郎!!
「小次郎が聞きたいのは『代償』のことじゃろう」

 はむはむと干し柿を噛みながら、さっそくじーちゃんが核心に触れる。

「『代償』って…」

 そういえば武田もその言葉を口にしていた。

「『力』を使こうた時、提供者のほうが受ける肉体的な刺激のことじゃ」

 提供者、とは花楓のことだ。花楓の力を借りで俺は自身の力を高める。体が強くなるというわけではない。強化されるのは精神力の方だ。集中力を高め相手の動きがよく見え、体の感覚が鋭くなる。ミリ単位での刀の調整が出来るほどに。
 精神力は近藤のような『蘇った者』を斬れる唯一の力でもありゅ。

「…じーちゃんも昔戦ったの?」」
「そうじゃ」
「提供者は、ばーちゃん?」
「そうじゃよ」

 次の干し柿に手を伸ばしながらじーちゃんが頷く。それにしてもこの干し柿は美味い。

 じーちゃんの奥さん、つまりばーちゃんは数年前に亡くなった。老衰での大往生だったけど最後まで「可愛いおばあちゃん」の見本のような人だった。

「うちのババアの『代償』は痛みじゃった」
「痛み?」

 ふん、と頷く。

「あのババア、若い頃から喧嘩になるとすぐに儂の頬っぺたをつねくったんじゃ。儂はそれを根深く覚えておっての」
「…もしかして」

 ふぉふぉっ、とバルタン笑いで答えるじーちゃん。

「儂が『力』を使うとババアは頬っぺたを死ぬほど引っ張られているような痛みを感じておったよ」
「そ、そうなんだ…」
「うむ、しかし花楓の母親に比べたらまだマシかの」
「え、おばさんも戦ってたの?」
「うむ。花楓の父親はたいそうな使い手じゃったよ。母親も『提供者』として共に戦っておった。剣はからきし使えんがの、提供者としては優秀だったようじゃ」

 花楓のお父さんとは、つまりじーちゃんの息子だ。子供の頃から剣を教え込まれてきたんだろう。同じように育てられた花楓の腕を見れば、何となく想像出来る。お母さんのほうは剣術道場に嫁いで来たわけだから、剣が使えなくても仕方がない。

「おばさんの『代償』ってどんなんだったの?」
「うむ…それは悲惨じゃった」
「え…?」

 指についた干し柿のカスを舐めながら、神妙な面持ちのじーちゃん。

 一体、どんな代償が…?
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