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キズナツナグモノガタリ ~誠の男と性の少女~
第4章 脱童貞! 宮本小次郎!!
「ごめんね、怪我させちゃって」
「いや、俺こそ…」
「え…?」
「守れなくて…」
「………うん」
綺麗に巻かれた包帯をそっと撫で、花楓が身体を離す。
「おじいちゃんとの話、聞いてたよ」
「聞いてたって…?」
「忍の術はあたしのほうが上だからね」
じーちゃんはそういえば、話の途中で視線を窓の外に向けていた。
そこに花楓はいたんだ。
「盗み聞きしてごめんね」
「いや、いいよ」
じーちゃんが俺の部屋に向かうのを見て何か大事な話をするのだと、そう思ったのだろう。じーちゃんは滅多に俺の部屋に来ない。そして忍の術でこっそり部屋に近付いた。
この場合の術というのは足音を殺して気配を悟られないようにするという、ごくごく初歩のものだ。
じーちゃんは体は弱くなったけど、その分気に敏くなった。花楓の気配を感じたのだろう。
それでも話を続けたのは、花楓の異常が『代償』にあると察してのことだろうし、俺達が話すきっかけを残すため。
「…俺のせいでごめんな」
「ほんとに…いつもあたしをどんな目で見てんのよ」
下から睨め付けるような目で言われて、俺は全く何の言い訳をすることも出来なかった。どんな目で見ているかは『代償』によって花楓がいちばんよく知っている。
「…あれって、本当なの?」
「あれ?」
「武田が言ってたじゃない…、その、小次郎はあたしを…」
後はごにょごにょ、顔は真っ赤。多分俺の顔も真っ赤っか。
「う、うん…まあ」
「じゃあさ…言ってよ」
「え?」
「言ってよ、ちゃんと」
小次郎の口から。
花楓はそう言って期待と恐怖が混ざったように揺れる目で、真っ直ぐに俺を見つめる。
「いや、俺こそ…」
「え…?」
「守れなくて…」
「………うん」
綺麗に巻かれた包帯をそっと撫で、花楓が身体を離す。
「おじいちゃんとの話、聞いてたよ」
「聞いてたって…?」
「忍の術はあたしのほうが上だからね」
じーちゃんはそういえば、話の途中で視線を窓の外に向けていた。
そこに花楓はいたんだ。
「盗み聞きしてごめんね」
「いや、いいよ」
じーちゃんが俺の部屋に向かうのを見て何か大事な話をするのだと、そう思ったのだろう。じーちゃんは滅多に俺の部屋に来ない。そして忍の術でこっそり部屋に近付いた。
この場合の術というのは足音を殺して気配を悟られないようにするという、ごくごく初歩のものだ。
じーちゃんは体は弱くなったけど、その分気に敏くなった。花楓の気配を感じたのだろう。
それでも話を続けたのは、花楓の異常が『代償』にあると察してのことだろうし、俺達が話すきっかけを残すため。
「…俺のせいでごめんな」
「ほんとに…いつもあたしをどんな目で見てんのよ」
下から睨め付けるような目で言われて、俺は全く何の言い訳をすることも出来なかった。どんな目で見ているかは『代償』によって花楓がいちばんよく知っている。
「…あれって、本当なの?」
「あれ?」
「武田が言ってたじゃない…、その、小次郎はあたしを…」
後はごにょごにょ、顔は真っ赤。多分俺の顔も真っ赤っか。
「う、うん…まあ」
「じゃあさ…言ってよ」
「え?」
「言ってよ、ちゃんと」
小次郎の口から。
花楓はそう言って期待と恐怖が混ざったように揺れる目で、真っ直ぐに俺を見つめる。