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臥龍の珠
第3章 三顧の礼
きっかり二日後、劉備たちの姿は再び隆中の山道にあった。一昨日からの雪で馬はあきらめ、徒歩での訪問だ。
劉備が扉を叩くと、出てきたのは浅黒い肌と金の髪を持った若い女性。亮の妻だろう。
「ようこそおいでくださいました。お話は伺っております。今支度を整えておりますのでしばしお待ちください」
聞けば昨日雪の中を帰宅した亮は無理が祟ったのか今朝から発熱し、劉備が来るまで休んでいたという。
「ご無理をなさってはいけません。そういうことでしたらまた後日出直してまいります」
「ですが、そう何度もわざわさご足労いただくのは……」
申し訳なさそうに身を縮めた珠に、劉備は笑った。
「山道をゆくのは、よい訓練になります。それに私は臥龍先生ときちんとお話がしたいのです。そのためにはお互いに体調が万全でないとまずいのです」
「わかりました。夫に伝えてまいります」
やがて亮の謝罪の言葉を携え、珠が戻ってきた。 しきりに恐縮する珠を残し、劉備たちは再び庵を後にした。
劉備が扉を叩くと、出てきたのは浅黒い肌と金の髪を持った若い女性。亮の妻だろう。
「ようこそおいでくださいました。お話は伺っております。今支度を整えておりますのでしばしお待ちください」
聞けば昨日雪の中を帰宅した亮は無理が祟ったのか今朝から発熱し、劉備が来るまで休んでいたという。
「ご無理をなさってはいけません。そういうことでしたらまた後日出直してまいります」
「ですが、そう何度もわざわさご足労いただくのは……」
申し訳なさそうに身を縮めた珠に、劉備は笑った。
「山道をゆくのは、よい訓練になります。それに私は臥龍先生ときちんとお話がしたいのです。そのためにはお互いに体調が万全でないとまずいのです」
「わかりました。夫に伝えてまいります」
やがて亮の謝罪の言葉を携え、珠が戻ってきた。 しきりに恐縮する珠を残し、劉備たちは再び庵を後にした。