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臥龍の珠
第3章 三顧の礼
「単刀直入に申し上げる。ぜひ我が麾下に加わっていただけないだろうか」
「なぜ私なのでしょう」
「この先天下を見据えるならば、まずは『臥龍』か『鳳雛』のどちらかを手に入れよと、元直が言い残して行ったのだ」
「ならば私ではなく『鳳雛』でもよいのでは?」
襄陽には「臥龍」と並び称される「鳳雛」がいる。また二人の他にも仕官していない知謀の士は多い。単に軍師が必要なだけであれば、わざわざ隆中まで足を伸ばす必要はない。
「私も初めはそう思った。だが群雄割拠する世の中で私のような弱小勢力を力を伸ばすには、ただの軍師ではだめなのだと。『鳳雛』は雛なので成鳥になるにはしばしの時間が必要になる。『臥龍』ならば眠っているだけなので起こせばすぐに役に立つと元直が言ったのだ」
「なるほど。ですが将軍に必要なものは軍師ではありません」
「して、それは一体?」
「なぜ私なのでしょう」
「この先天下を見据えるならば、まずは『臥龍』か『鳳雛』のどちらかを手に入れよと、元直が言い残して行ったのだ」
「ならば私ではなく『鳳雛』でもよいのでは?」
襄陽には「臥龍」と並び称される「鳳雛」がいる。また二人の他にも仕官していない知謀の士は多い。単に軍師が必要なだけであれば、わざわざ隆中まで足を伸ばす必要はない。
「私も初めはそう思った。だが群雄割拠する世の中で私のような弱小勢力を力を伸ばすには、ただの軍師ではだめなのだと。『鳳雛』は雛なので成鳥になるにはしばしの時間が必要になる。『臥龍』ならば眠っているだけなので起こせばすぐに役に立つと元直が言ったのだ」
「なるほど。ですが将軍に必要なものは軍師ではありません」
「して、それは一体?」