この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
臥龍の珠
第1章 青の婚礼
「ようやくお前の夫に相応しい男が現れたぞ」

 ――時を遡ること一月前。

 珍しく満面の笑みを浮かべた父に、珠は首を傾げた。今まで誰に打診されても首を縦に振らなかった父が、突然珠の嫁入りを決めたのだ。誇り高く親馬鹿な父がここまで喜ぶ相手とは、一体誰なのだろうか。

「『臥龍』と『鳳雛』の噂は、お前も聞いたことがあるだろう」

 「臥龍」に「鳳雛」。近頃襄陽名士の間で盛んに噂される人物だ。

「では、その二人のどちらかが私の夫になるのですか?」
「『臥龍』の方だ。名は諸葛亮。徐州琅邪(ろうや)出身で年はお前と同じ二十一歳になる。ちょうど妻を探しているという話でな。今はまだ誰にも仕えてはいないが、将来性も家柄も申し分ない。お前を嫁にやらないで待っていた甲斐があったというものだ」
「そうですか。名の知られたお方ですから、てっきりもっと年上なのかと思ってました。父上がそれほどまでに見込まれる相手ならば、私も喜んでお嫁に参ります」

 珠はあっさりと縁談を承諾した。黄家のような上流階級では、見ず知らずの人間に嫁ぐのは普通だった。父が選んだ男性ならば、間違いはないはずだ。珠は父親を信じていた。

 以降、父黄承彦と「臥龍」諸葛亮の間ではトントン拍子に話が進み、珠は嫁入りの日を迎えたのだった。
/41ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ