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臥龍の珠
第3章 三顧の礼
結婚して早五年。食べ物の好みから閨でのことまで、互いの事は誰よりも理解していた。
「あなた……」
珠は睦み合う時だけ、亮を「あなた」と呼んだ。普段亮は珠のすぐそばにいても、なぜか本当の亮はどこか遠くにいるような気がしていた。だがこうして亮の体温を感じていると、確かにここにいるのだと実感できるのだ。亮は珠の手に自らの大きな手を重ねた。
「あんなになめらかだった手が、こんなに荒れてしまいましたね。申し訳ありません」
「構いません」
父の元にいたときは美しかった手も、農作業や家事でずいぶんとがさついてしまった。だが珠はそれが恥ずかしいとは思わなかった。荒れた手は自ら身を粉にして働いた証なのだから。
「頭が良く働き者で、美しく気立ても良い。私は幸せ者です」
亮は珠の手を取りにそっと口づけた。そのまま指の方へ唇を這わせる。指先を舐められ、優しく食まれると、それだけで珠は自分の中の女の部分が蠢くのを感じた。温かな舌先が爪先から根元へ、指に沿って動く。珠は身をよじって甘やかな刺激に必死に耐えた。
「あなた……」
珠は睦み合う時だけ、亮を「あなた」と呼んだ。普段亮は珠のすぐそばにいても、なぜか本当の亮はどこか遠くにいるような気がしていた。だがこうして亮の体温を感じていると、確かにここにいるのだと実感できるのだ。亮は珠の手に自らの大きな手を重ねた。
「あんなになめらかだった手が、こんなに荒れてしまいましたね。申し訳ありません」
「構いません」
父の元にいたときは美しかった手も、農作業や家事でずいぶんとがさついてしまった。だが珠はそれが恥ずかしいとは思わなかった。荒れた手は自ら身を粉にして働いた証なのだから。
「頭が良く働き者で、美しく気立ても良い。私は幸せ者です」
亮は珠の手を取りにそっと口づけた。そのまま指の方へ唇を這わせる。指先を舐められ、優しく食まれると、それだけで珠は自分の中の女の部分が蠢くのを感じた。温かな舌先が爪先から根元へ、指に沿って動く。珠は身をよじって甘やかな刺激に必死に耐えた。