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臥龍の珠
第1章 青の婚礼
「あなたも初めての家で緊張されたでしょう。どうか今日はこのままお休みください」
まさか新婚初夜に一人寝をしろと言われるとは、思ってもみなかった。亮に妻と認められていない気がして、珠は悄然と俯いた。
「……私はあなたの妻です」
亮は俯く珠の傍らに膝をつき、下から珠の瞳を覗き込んだ。亮の切れ長の瞳には珠をいたわるような色がある。
「はい。そして私はあなたの夫です」
そして静かに立ち上がると、俯いたままの珠の体をそっと抱きしめた。
「わかりました。私も男ですから、新妻のせっかくの望みを無下にはいたしません。もう、後には退かせませんからね?」
「……はい!」
二人は顔を見合わせ、笑った。亮は手燭を持ち、珠を一番奥の部屋へと誘(いざな)った。
まさか新婚初夜に一人寝をしろと言われるとは、思ってもみなかった。亮に妻と認められていない気がして、珠は悄然と俯いた。
「……私はあなたの妻です」
亮は俯く珠の傍らに膝をつき、下から珠の瞳を覗き込んだ。亮の切れ長の瞳には珠をいたわるような色がある。
「はい。そして私はあなたの夫です」
そして静かに立ち上がると、俯いたままの珠の体をそっと抱きしめた。
「わかりました。私も男ですから、新妻のせっかくの望みを無下にはいたしません。もう、後には退かせませんからね?」
「……はい!」
二人は顔を見合わせ、笑った。亮は手燭を持ち、珠を一番奥の部屋へと誘(いざな)った。