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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第29章 マイスターの報酬
「試させろ。俺がお前に触って、笑いたくなるかどうか。それが講義への謝礼だ」
そう耳元で囁かれて、姫は、ぼんやりと考えました
(試す…?講義の、謝礼…?前に、何か思いついたらいつでも言ってって言った、あれ?)
既に受けた講義の報酬として「試す」ことを望まれているなら、断ることはできないと、姫は思いました。
「はい、分かりました、マイスター」
姫がそう答えると、サクナは苦く笑って、ほんとに分かってんのかお前、と呟きました。
「まあ良い。触ると笑うんだったな」
「はい」
「…なら、とりあえず下着は脱いどけ」
その言葉と共に、サクナは姫に背を向けました。姫はごそごそと下着と下穿きを脱ぎ、椅子のクッションの下に隠しました。
「脱ぎました、マイスター」
「その呼び名は今日は仕舞いだ。今からのお前の相手は、マイスターでも無ければ俺でも無え」
「…え?どういうこと?」
姫が不思議そうな顔をすると、サクナは懐から布を出しました。
「…今から、ここに居るのは、あいつだ――お前の見合いの相手だ」
そして、目を閉じろ、と言うと、布を姫の顔から頭にかけて巻き、頭の後ろで結び留め、姫の目をふさぎました。
「これを外すまでの間は、俺をあいつとして扱え。そしてこれを外したら、全部忘れろ」
姫の髪を、梳くように撫でて。
「彼」は耳元で、そう言いました。
そう耳元で囁かれて、姫は、ぼんやりと考えました
(試す…?講義の、謝礼…?前に、何か思いついたらいつでも言ってって言った、あれ?)
既に受けた講義の報酬として「試す」ことを望まれているなら、断ることはできないと、姫は思いました。
「はい、分かりました、マイスター」
姫がそう答えると、サクナは苦く笑って、ほんとに分かってんのかお前、と呟きました。
「まあ良い。触ると笑うんだったな」
「はい」
「…なら、とりあえず下着は脱いどけ」
その言葉と共に、サクナは姫に背を向けました。姫はごそごそと下着と下穿きを脱ぎ、椅子のクッションの下に隠しました。
「脱ぎました、マイスター」
「その呼び名は今日は仕舞いだ。今からのお前の相手は、マイスターでも無ければ俺でも無え」
「…え?どういうこと?」
姫が不思議そうな顔をすると、サクナは懐から布を出しました。
「…今から、ここに居るのは、あいつだ――お前の見合いの相手だ」
そして、目を閉じろ、と言うと、布を姫の顔から頭にかけて巻き、頭の後ろで結び留め、姫の目をふさぎました。
「これを外すまでの間は、俺をあいつとして扱え。そしてこれを外したら、全部忘れろ」
姫の髪を、梳くように撫でて。
「彼」は耳元で、そう言いました。