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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第36章 招かざる客
「これ、あの小山の着替え一式です」
サクナはバンシルの言葉に、小山?と変な顔をしました。
「明日の朝までにこれを着せて、そこに落ちてる服を持たせて、戻してください」
バンシルはそこで一旦言葉を切り、サクナを上から下まで眺めて、顔をしかめました。
「あんたもその、服が全部裏返しな格好は、どうにかした方が良いですね」
「心配するな。一度脱ぐから、朝着るときには直ってる」
そう答えると、サクナはふわあ、とあくびをしました。
「あんた達がどんな格好で寝てても知ったこっちゃありませんが、小山に風邪を引かせないように。それに、くれぐれも明日普通に過ごせる程度にしといてくださいね、後々面倒なんで」
「普通に?どういうことだ?」
サクナがバンシルの言葉を訝しむと、バンシルは逆上しました。
「これだから、男は!!ヤり過ぎて足腰立たないようにすんな、って言ってんですよ!あなた様のおかげ様であの方の手合わせ数は三桁行っちゃいましたが、初貫通なんですから!」
ああ…と寝台を見て思わず顔をでれっと緩ませたサクナは、バンシルの刺すような視線に、慌てていつもの不機嫌そうな顔を作って咳払いしました。
「…分かった。努力は、する。」
「ええ、全力で努力してください。小山がどんなに可愛かろうが何されようが何言われようが、全身全霊で、努力してください」
そこで寝台の方を見て、バンシルは、ほんの少し淋しそうな顔をしました。
「…とはいえ。私からも、御礼を言わなきゃいけませんね」
バンシルはサクナの方に向き直りました。
「私の大事な乳兄弟の長年の重荷を拭ってくださって、ありがとうございます」
「…こっちこそありがとな、色々。助かった」
「いいえ。全部、私が勝手にしたことですから。…でも、もしあの方を傷つけるようなことがあったら、その時は許しませんよ」
「安心しろ、バンシル。自分が手に入れたこの世に一つしか無え極上の果物を、わざわざ傷つける果樹園主なんか居ねえよ」
サクナがにやっと笑うと、バンシルも薄く笑いました。
サクナはバンシルの言葉に、小山?と変な顔をしました。
「明日の朝までにこれを着せて、そこに落ちてる服を持たせて、戻してください」
バンシルはそこで一旦言葉を切り、サクナを上から下まで眺めて、顔をしかめました。
「あんたもその、服が全部裏返しな格好は、どうにかした方が良いですね」
「心配するな。一度脱ぐから、朝着るときには直ってる」
そう答えると、サクナはふわあ、とあくびをしました。
「あんた達がどんな格好で寝てても知ったこっちゃありませんが、小山に風邪を引かせないように。それに、くれぐれも明日普通に過ごせる程度にしといてくださいね、後々面倒なんで」
「普通に?どういうことだ?」
サクナがバンシルの言葉を訝しむと、バンシルは逆上しました。
「これだから、男は!!ヤり過ぎて足腰立たないようにすんな、って言ってんですよ!あなた様のおかげ様であの方の手合わせ数は三桁行っちゃいましたが、初貫通なんですから!」
ああ…と寝台を見て思わず顔をでれっと緩ませたサクナは、バンシルの刺すような視線に、慌てていつもの不機嫌そうな顔を作って咳払いしました。
「…分かった。努力は、する。」
「ええ、全力で努力してください。小山がどんなに可愛かろうが何されようが何言われようが、全身全霊で、努力してください」
そこで寝台の方を見て、バンシルは、ほんの少し淋しそうな顔をしました。
「…とはいえ。私からも、御礼を言わなきゃいけませんね」
バンシルはサクナの方に向き直りました。
「私の大事な乳兄弟の長年の重荷を拭ってくださって、ありがとうございます」
「…こっちこそありがとな、色々。助かった」
「いいえ。全部、私が勝手にしたことですから。…でも、もしあの方を傷つけるようなことがあったら、その時は許しませんよ」
「安心しろ、バンシル。自分が手に入れたこの世に一つしか無え極上の果物を、わざわざ傷つける果樹園主なんか居ねえよ」
サクナがにやっと笑うと、バンシルも薄く笑いました。