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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第36章 招かざる客
「はい、着替え。くれぐれも宜しくお願いしますね」
「分かった。」
着替えを手渡しながら、バンシルは呟きました。
「…それにしても、どんな手を使ったら、こんなことが出来たんだか。」
「どんな手かって?こんな手だ」
サクナは片手で着替えを受け取り、もう一方の掌を、バンシルにひらひらと振りました。
「じゃあな、バンシル。また明日…じゃねえか、また朝に。」
「お休みなさいませ、サクナ」
そして扉をそっと開け、辺りに人が居ないのを確認してからバンシルを送り出し、扉と鍵を閉めました。
それから寝台の横で服を脱ぎ、静かに上下している小山の隣に潜り込み、小山の中身を抱き締めて、幸せな眠りに就きました。
* * *
コンコン、というノックの音が、夜も明けやらぬ部屋に響きました。
小さな、鋭い響きのノックが耳に届いて、サクナの目が開きました。
そっと寝台から出て、服を拾って身に着けて、扉の前に音を立てずに歩いていって、扉の向こうに小さく声をかけました。
「誰だ?まだ夜明け前だぞ」
「緊急事態です、マイスター様」
扉を開けると、そこに居たのはバンシルでした。
「やっぱりお前か。緊急事態って何だ」
「王様と王妃様から、急なお召しがありました」
「『スグリ姫は現在の婚約者を伴って、本日、謁見の間に来るように』とのことです」
「分かった。」
着替えを手渡しながら、バンシルは呟きました。
「…それにしても、どんな手を使ったら、こんなことが出来たんだか。」
「どんな手かって?こんな手だ」
サクナは片手で着替えを受け取り、もう一方の掌を、バンシルにひらひらと振りました。
「じゃあな、バンシル。また明日…じゃねえか、また朝に。」
「お休みなさいませ、サクナ」
そして扉をそっと開け、辺りに人が居ないのを確認してからバンシルを送り出し、扉と鍵を閉めました。
それから寝台の横で服を脱ぎ、静かに上下している小山の隣に潜り込み、小山の中身を抱き締めて、幸せな眠りに就きました。
* * *
コンコン、というノックの音が、夜も明けやらぬ部屋に響きました。
小さな、鋭い響きのノックが耳に届いて、サクナの目が開きました。
そっと寝台から出て、服を拾って身に着けて、扉の前に音を立てずに歩いていって、扉の向こうに小さく声をかけました。
「誰だ?まだ夜明け前だぞ」
「緊急事態です、マイスター様」
扉を開けると、そこに居たのはバンシルでした。
「やっぱりお前か。緊急事態って何だ」
「王様と王妃様から、急なお召しがありました」
「『スグリ姫は現在の婚約者を伴って、本日、謁見の間に来るように』とのことです」