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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第37章 解かれた呪い
「婚約者って…だって、タンム様は」
お召しの内容を聞いて口籠もった姫を見て、バンシルは溜息混じりに言いました。
「姫。ちゃんと聞いてましたか?王様と王妃様は、『現在の』婚約者と来るようにって、仰せなんですよ」
「現在、の?…ええええ!?」
タンム卿は昨日でお見合いを一旦棚上げしたので、現在の婚約者ではありません。
現在の婚約者は、と言うと。
「なんで、お父様とお母様が、そんなっ…何かの勘違い?それとも、昨日のことがどっかからバレたのっ!?」
「幸いなことにまだどこにもバレちゃいませんよ、主として私のお陰ですけど。」
「じゃあ、なんでっ」
スグリ姫は、胸ぎりぎりまでを器用に布団から外に出し、現在の婚約者の腕に、ぎゅっとしがみつきました。
「私、もうお見合いなんかしないからねっ!お父様でもお母様でもハンダマでも、サクナとのこと反対するなら、一生一人で居るからっ!」
「スグリ…」
姫の肩や背中が冷えないように布団を掛け直してやっていたサクナは、姫の言葉に崩れ落ちそうになりました。
…が、先程バンシルに叩かれたことを思い出し、ギリギリのところで耐えました。
「はいはいもういい加減にいちゃいちゃすんの止めて、詳しいことは謁見の時に直接お聞きになってください。とにかく、他の連中が起きないうちに、姫はさっさと戻りますよ」
「え、戻るの?」
バンシルが促すと、姫は途端にしゅんとしました。
「せっかく傍に来れたのに、離れるの、さみしいな…」
「スグっ…」
姫の呟きのせいでサクナが悶絶し、またいちゃいちゃに縺れ込みそうになりましたが、バンシルがぶった切りました。
「つべこべ言わずに、戻ってください!!いいですか、今の状況は、あくまでも、非公式!!非公式!です!!!」
「え、じゃあ、昨日の初夜も非公式か。」
今度はサクナがバンシルの言葉に要らぬ反応をしました。
「あんたっ、本気で、馬鹿ですかっ!?」
「あ、でも」
そこで、空気を読まないスグリ姫が、会話に割って入りました。
「二回もサクナと初夜が迎えられるなんて、それはそれで、幸せかもっ」
「スッ…グぅっ…」
「…もう、結構です。」
バンシルは、もうこいつらには引導を渡すしかない。と思い、地の底から響くような声を出しました。
お召しの内容を聞いて口籠もった姫を見て、バンシルは溜息混じりに言いました。
「姫。ちゃんと聞いてましたか?王様と王妃様は、『現在の』婚約者と来るようにって、仰せなんですよ」
「現在、の?…ええええ!?」
タンム卿は昨日でお見合いを一旦棚上げしたので、現在の婚約者ではありません。
現在の婚約者は、と言うと。
「なんで、お父様とお母様が、そんなっ…何かの勘違い?それとも、昨日のことがどっかからバレたのっ!?」
「幸いなことにまだどこにもバレちゃいませんよ、主として私のお陰ですけど。」
「じゃあ、なんでっ」
スグリ姫は、胸ぎりぎりまでを器用に布団から外に出し、現在の婚約者の腕に、ぎゅっとしがみつきました。
「私、もうお見合いなんかしないからねっ!お父様でもお母様でもハンダマでも、サクナとのこと反対するなら、一生一人で居るからっ!」
「スグリ…」
姫の肩や背中が冷えないように布団を掛け直してやっていたサクナは、姫の言葉に崩れ落ちそうになりました。
…が、先程バンシルに叩かれたことを思い出し、ギリギリのところで耐えました。
「はいはいもういい加減にいちゃいちゃすんの止めて、詳しいことは謁見の時に直接お聞きになってください。とにかく、他の連中が起きないうちに、姫はさっさと戻りますよ」
「え、戻るの?」
バンシルが促すと、姫は途端にしゅんとしました。
「せっかく傍に来れたのに、離れるの、さみしいな…」
「スグっ…」
姫の呟きのせいでサクナが悶絶し、またいちゃいちゃに縺れ込みそうになりましたが、バンシルがぶった切りました。
「つべこべ言わずに、戻ってください!!いいですか、今の状況は、あくまでも、非公式!!非公式!です!!!」
「え、じゃあ、昨日の初夜も非公式か。」
今度はサクナがバンシルの言葉に要らぬ反応をしました。
「あんたっ、本気で、馬鹿ですかっ!?」
「あ、でも」
そこで、空気を読まないスグリ姫が、会話に割って入りました。
「二回もサクナと初夜が迎えられるなんて、それはそれで、幸せかもっ」
「スッ…グぅっ…」
「…もう、結構です。」
バンシルは、もうこいつらには引導を渡すしかない。と思い、地の底から響くような声を出しました。