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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第37章 解かれた呪い
「え?」
「今ならまだ、『非公式』だ。俺は…もし、お前が…考え直してぇなr…ぶっ!!」
「ばかああああっ!」
バンシルに叩かれたサクナの後ろ頭を、姫が木工で鍛えた右手で思いっきり叩きました。
「…痛っっ…」
「サクナの目利きは、外れないんでしょ!」
「…っ…あ?」
「サクナが選んだ私が世界で一番なら、サクナが選んだ私が選んだサクナも世界一に、決まってるじゃない!!」
「スグリ…」
「とにかくっ、出来たら出来ただけどんどん産むから!まずは、謁見に行くわよ!…あ。」
勢い良く立ち上がろうとした姫は、今まで自分が座って居た場所を見て、固まりました。
「あ…シーツ、汚しちゃった…」
「気にすんな、どうせとっくに汚れてる。立てるか?」
「ん」
「おっと」
結局ゆっくりと立ち上がったスグリ姫は、少しふらついて、サクナに抱きとめられました。
スグリ姫はそのままサクナに抱きついて、はふん、と甘く息を吐きました。
「さっき、もしサクナと居られなくなるんなら一生一人で居るって言ったの、本気だからね。」
「じゃあ、俺は園主を誰かに譲って越して来て、果樹園作って果物細工教室でもやるかな」
お前は弟子一号な、と言われた姫は、抱き付く腕に力をこめました。
「素敵。…でも、お父様の怒りを買って、私が尼寺に入れられちゃったりしたらどうするの?」
「そしたら、尼寺の周りで果樹園でもやるさ。色んな果物で周りを囲んで、尼寺まで一年中美味そうな匂いをさせてやるよ」
「匂いだけなんて、我慢できなくて、脱走しちゃいそう」
スグリ姫は徒名の通りくすくす笑って、婚約者に体をすり寄せました。
「赤ちゃん、ほんとに出来てたらいいな。そしたら初孫だもん、絶対反対できないよ」
「ああ。」
「…だいすきよ、サクナ」
どちらからともなくちゅっと口づけて、名残惜しそうに離れました。
「そろそろ戻れ。バンシルが痺れを切らしちまう」
「うん。また、あとでね。」
そうしてスグリ姫と現在の婚約者は、それぞれの部屋で、謁見の時を待ったのでした。
「今ならまだ、『非公式』だ。俺は…もし、お前が…考え直してぇなr…ぶっ!!」
「ばかああああっ!」
バンシルに叩かれたサクナの後ろ頭を、姫が木工で鍛えた右手で思いっきり叩きました。
「…痛っっ…」
「サクナの目利きは、外れないんでしょ!」
「…っ…あ?」
「サクナが選んだ私が世界で一番なら、サクナが選んだ私が選んだサクナも世界一に、決まってるじゃない!!」
「スグリ…」
「とにかくっ、出来たら出来ただけどんどん産むから!まずは、謁見に行くわよ!…あ。」
勢い良く立ち上がろうとした姫は、今まで自分が座って居た場所を見て、固まりました。
「あ…シーツ、汚しちゃった…」
「気にすんな、どうせとっくに汚れてる。立てるか?」
「ん」
「おっと」
結局ゆっくりと立ち上がったスグリ姫は、少しふらついて、サクナに抱きとめられました。
スグリ姫はそのままサクナに抱きついて、はふん、と甘く息を吐きました。
「さっき、もしサクナと居られなくなるんなら一生一人で居るって言ったの、本気だからね。」
「じゃあ、俺は園主を誰かに譲って越して来て、果樹園作って果物細工教室でもやるかな」
お前は弟子一号な、と言われた姫は、抱き付く腕に力をこめました。
「素敵。…でも、お父様の怒りを買って、私が尼寺に入れられちゃったりしたらどうするの?」
「そしたら、尼寺の周りで果樹園でもやるさ。色んな果物で周りを囲んで、尼寺まで一年中美味そうな匂いをさせてやるよ」
「匂いだけなんて、我慢できなくて、脱走しちゃいそう」
スグリ姫は徒名の通りくすくす笑って、婚約者に体をすり寄せました。
「赤ちゃん、ほんとに出来てたらいいな。そしたら初孫だもん、絶対反対できないよ」
「ああ。」
「…だいすきよ、サクナ」
どちらからともなくちゅっと口づけて、名残惜しそうに離れました。
「そろそろ戻れ。バンシルが痺れを切らしちまう」
「うん。また、あとでね。」
そうしてスグリ姫と現在の婚約者は、それぞれの部屋で、謁見の時を待ったのでした。