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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第37章 解かれた呪い
「貴女と婚約者殿の顔を見て、安心しました。私は、あなたたちの婚約と、婚姻を認めます」
「ツグミ!」
「分からず屋さんね。まだ何か文句がありまして?」
王妃は王に向かって大げさに溜息を吐きました。
「私たちがこの子の産まれたときに無理矢理背負わせた役目を、この子は自分の力で終わらせたのですよ?自分で選んだ伴侶と共に」
それを聞いたスグリ姫はやっと、サクナの方を見ることができました。
サクナはいつもの不機嫌顔でしたが、口元を微かに緩めて、小さく頷いてくれました。
「産まれたばかりの赤子に対して、親としての情よりも国を守るものとしての責務を優先した私たちに、何を言えることがありましょう。恨まれて、一生許してくれなくたって、仕方のないことをしたのですよ」
王妃はそう言うと目を伏せて、少しだけ目元を潤ませました。
「けれど、貴女は私達が想像していたより強かった。貴女自身にかけられていた呪いだけでなく、この国にかけられるところであった呪いも、この私にかけられた呪いも、貴女が解いてくれたのですよ。
私達を救ってくれてありがとう、スグリ。」
「…それは、私も同じ気持ちです、王妃様。」
それまで何を言われてもじっと黙っていたサクナが、その時初めて、口を開きました。
「ツグミ!」
「分からず屋さんね。まだ何か文句がありまして?」
王妃は王に向かって大げさに溜息を吐きました。
「私たちがこの子の産まれたときに無理矢理背負わせた役目を、この子は自分の力で終わらせたのですよ?自分で選んだ伴侶と共に」
それを聞いたスグリ姫はやっと、サクナの方を見ることができました。
サクナはいつもの不機嫌顔でしたが、口元を微かに緩めて、小さく頷いてくれました。
「産まれたばかりの赤子に対して、親としての情よりも国を守るものとしての責務を優先した私たちに、何を言えることがありましょう。恨まれて、一生許してくれなくたって、仕方のないことをしたのですよ」
王妃はそう言うと目を伏せて、少しだけ目元を潤ませました。
「けれど、貴女は私達が想像していたより強かった。貴女自身にかけられていた呪いだけでなく、この国にかけられるところであった呪いも、この私にかけられた呪いも、貴女が解いてくれたのですよ。
私達を救ってくれてありがとう、スグリ。」
「…それは、私も同じ気持ちです、王妃様。」
それまで何を言われてもじっと黙っていたサクナが、その時初めて、口を開きました。