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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第37章 解かれた呪い
「私は今まで、一生独り身で良いと思ってました。」
サクナが、話し始めました。
「自分で言うのは烏滸がましいですが、果物のことについては、誰にも負ける気がしません。当たり前です。私には物心着いた時から、果物しか無かったんですから。必要なことは全部果物から学び、必要なものは全部果物が与えてくれました。他のものは、何も要らなかった。果物さえあれば生きていけると、ずっと思っていたんです。それで、十分満足でした。」
サクナはそこで言葉を切って、目を細めて、スグリ姫を見ました。
「でも、スグリ姫に『スイカはどんな木に成ってるの?』と聞かれた瞬間に、世界がひっくり返りました」
「!?サクナっ!?!」
サクナの話に聞き入っていた姫は、突然恥ずかしい過去をばらされて、真っ赤になってサクナを睨み付けました。
「まあ」
王妃は目を丸くして、くすくすと笑っています。
「それは、びっくりしたでしょう。ごめんなさいね。ご存知だとは思うけど、この子はそんな風な子なの」
「ええ、もちろん知ってます。でも、自分でもなんでなんだか分かりませんが、その時急に、こいつが欲しいと思ったんです」
「サクナ…」
「幼馴染の婚約者です。身分も違う。暮らしてるのだって、簡単に行き来できる距離じゃ無ぇし、土地を簡単に捨てられる仕事でも無ぇ。王様だけじゃなく、誰が聞いたって無理な話です。諦めました。郷に帰って、最初からそんなもんは無かったことにしようと思いました。でも、スグリは、諦めちゃくれなかった。」
そこでサクナは、涙が溢れそうになっているスグリ姫に、向き直りました。
サクナが、話し始めました。
「自分で言うのは烏滸がましいですが、果物のことについては、誰にも負ける気がしません。当たり前です。私には物心着いた時から、果物しか無かったんですから。必要なことは全部果物から学び、必要なものは全部果物が与えてくれました。他のものは、何も要らなかった。果物さえあれば生きていけると、ずっと思っていたんです。それで、十分満足でした。」
サクナはそこで言葉を切って、目を細めて、スグリ姫を見ました。
「でも、スグリ姫に『スイカはどんな木に成ってるの?』と聞かれた瞬間に、世界がひっくり返りました」
「!?サクナっ!?!」
サクナの話に聞き入っていた姫は、突然恥ずかしい過去をばらされて、真っ赤になってサクナを睨み付けました。
「まあ」
王妃は目を丸くして、くすくすと笑っています。
「それは、びっくりしたでしょう。ごめんなさいね。ご存知だとは思うけど、この子はそんな風な子なの」
「ええ、もちろん知ってます。でも、自分でもなんでなんだか分かりませんが、その時急に、こいつが欲しいと思ったんです」
「サクナ…」
「幼馴染の婚約者です。身分も違う。暮らしてるのだって、簡単に行き来できる距離じゃ無ぇし、土地を簡単に捨てられる仕事でも無ぇ。王様だけじゃなく、誰が聞いたって無理な話です。諦めました。郷に帰って、最初からそんなもんは無かったことにしようと思いました。でも、スグリは、諦めちゃくれなかった。」
そこでサクナは、涙が溢れそうになっているスグリ姫に、向き直りました。