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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第38章 100人目とのお手合わせ
「ここには誰も居なくても、ここの隣には、誰も居ますっ!!」
姫は控えの間の扉を開けながら、小声でサクナに言いました。
「その隣に居られる誰か様のご希望が、『孫は早目に』だぞ?別に間違ってねぇ…やべっ」
「え?」
「ハンダマ様が来た」
「えええええ!」
いちゃいちy…ではなく、話し込みすぎたせいで、スグリ姫たちのことを説明するために次にお召しを受けていたハンダマ王子が、階段の下に姿を現してしまったのです。
「ここで鉢合わせはマズいな」
「サクナ、こっち!」
「お、」
「…あ!開いたっ」
スグリ姫はサクナの腕をすばやく引っ張り、一番近くにあった部屋の扉の前で一瞬躊躇してから扉を開けました。
「あっぶねぇ…助かった」
扉を閉めた二人は、廊下の向こうの様子をこっそり窺いながら、ひそひそ声で話しました。
「ハンダマ通り過ぎた?」
「まだ足音はしねぇな…ところで、」
サクナはひそひそ話しながら、やけに白っぽい部屋の中を眺めました。
「この部屋、何なんだ?」
白い壁紙にカーテン、白い家具と、白い調度で纏められた部屋には、人が使っている気配がありません。
「…ここ、…『お手合わせの間』。」
姫は言いにくそうに口ごもりながら、サクナの問いに答えました。
姫は控えの間の扉を開けながら、小声でサクナに言いました。
「その隣に居られる誰か様のご希望が、『孫は早目に』だぞ?別に間違ってねぇ…やべっ」
「え?」
「ハンダマ様が来た」
「えええええ!」
いちゃいちy…ではなく、話し込みすぎたせいで、スグリ姫たちのことを説明するために次にお召しを受けていたハンダマ王子が、階段の下に姿を現してしまったのです。
「ここで鉢合わせはマズいな」
「サクナ、こっち!」
「お、」
「…あ!開いたっ」
スグリ姫はサクナの腕をすばやく引っ張り、一番近くにあった部屋の扉の前で一瞬躊躇してから扉を開けました。
「あっぶねぇ…助かった」
扉を閉めた二人は、廊下の向こうの様子をこっそり窺いながら、ひそひそ声で話しました。
「ハンダマ通り過ぎた?」
「まだ足音はしねぇな…ところで、」
サクナはひそひそ話しながら、やけに白っぽい部屋の中を眺めました。
「この部屋、何なんだ?」
白い壁紙にカーテン、白い家具と、白い調度で纏められた部屋には、人が使っている気配がありません。
「…ここ、…『お手合わせの間』。」
姫は言いにくそうに口ごもりながら、サクナの問いに答えました。