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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第38章 100人目とのお手合わせ
(『この度のお見合いが棚上げになり、』)
(『ええ、もったいないようなお話…残念なことではありますが、』)

「ん…っ!!」
『ああ、そうだな?もったいなかったよな?』

会話が聞こえたらしいサクナは口づけをやめて、姫をからかうように囁きました。
『ばか、ぁ…いじわ、る、』
唇が離されて、姫は息を吐きました。

『そうか、意地悪だったか…じゃあ、しっかりお詫びしとこうな、』
「…!?んんんんんんんんんんっ!!!」
サクナは姫が息を吐いた隙を見たように、姫の中に素早く自分を突き入れて、『こっちもちゃんと塞いどかねぇと』と、再び唇を塞ぎました。
(や!は、いっ…ちゃ…あ、やっ、だめぇ!)
軽く揺らされている姫は、首に回した手でサクナを叩こうとしましたが、手を離した拍子に足が体重を支えきれなくなり、腰から崩れ落ちそうになりました。
『っ!!』
『おっ、と』
合わせていた唇は離れましたが、姫の背中はサクナの力で扉に強く押し付られ、落ちることは避けられました、が。

(『…おや?』)
(『何ですかな?』)
(『いや、何か、音が』)

そのままゆさゆさと揺さぶられていたので、背中の支えにしている扉は重く厚くはありましたが、外に僅かに震えを伝えずにはいられませんでした

『~~~っ、だめぇ、だめだよぉ、サクナっ、ばれちゃっ…ん!』

姫は必死で、サクナにもう一度掴まりました。
よりによって、こんな時にこんな所でこんなことをしているとは、知られるわけには参りません。
姫がしがみつくとサクナも姫を支えてくれて、扉から背中を離してくれました。
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