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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第40章 Happily ever after
「レンブ、紅茶のお替りはいかが?」

刺すような日差しが和らぎ始めた、夏の終わりのある日。
スグリ姫の部屋では、表向きは「行く夏を惜しむお茶会」、その実「レンブ姫のご機嫌斜めを直す会」が行われておりました。
もうすぐ秋。
レンブ姫と、スグリ姫の弟であるハンダマ王子の結婚式が予定されております。
…が、詳しいことは分からないのですが、ここ数日レンブ姫とハンダマ王子の間には、なんとなーく冷たい風が吹いておりました。

「つい先日まで鬱陶しいほどベッタベタだったのに、何があったんでしょうね」
「絶対ハンダマが余計なこと言ったのよ、バンシル。レンブが怒ってて、ハンダマがおどおどしてるじゃない?反省して許してほしいと思ってるけど、言い出せないってところだわね」

ということで、「城の平和な空気を取り戻し、ハンダマ王子に恩を売るため、レンブ姫のご機嫌を取ろう!」という趣旨のお茶会が、行われることになったのです。


「ありがとうございます、お義姉様」
レンブ姫はにっこり微笑み、バンシルがカップにお茶のお替りを注ぎました。
結婚を間近に控えているのにも関わらず、近隣諸国のお嫁さんにしたい姫首位独走中の女子力高いゆるふわなレンブ姫ですが、心無しか元気がありません。
憂い顔ではかなげに微笑みながら紅茶のカップを持ち上げる姿に(元気なければ無いでモテるねこれは)(ええ、どんな状態でも最強ですね)と、スグリ姫とバンシルは目と目で会話を交わしました。

「…おいしいですわ!いい香り」
入れ替えたお茶を一口飲んで目を輝かせたレンブ姫に、スグリ姫は(うおお!キラキラ復活!可愛いなコンチクショウ、ざまみろハンダマ!!)と、心の中で快哉を叫びました。
ではありますが、腐っても鯛、スグリ姫でも姫は姫。
もうすぐ義姉となる姫らしく、にっこり優雅に微笑みました。

「良かった、お口に合って。私の好きなお茶をお気に召してくださって、とっても嬉しいわ。干した果物が入ってるのだけど、こういうものってお好みがあるから」

スグリ姫が、そう言った途端。
なぜかレンブ姫が血相を変え、テーブルにバンッ!と手を付いて、立ち上がりました。
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