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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第40章 Happily ever after
「お義姉様っ!?!」
「な…なにっ、レンブ」
レンブ姫があまりにも勢い良く前のめったので、スグリ姫は椅子の上で若干仰け反りました。

「干した果物って、もしかして、あれですかっ!!『愛する人に贈る瓶詰め』っ!!」
「ああ、うん。こういうことにも使えるのよ、便利よn…」
レンブ姫に説明しながら、(そう言えばサクナも最初非常食だって言い張ってたなー)と懐かしく思いd…

「お義姉様っっ!!便利って、何を暢気な!!」
「へ?のんき?」
スグリ姫は咄嗟のことに、レンブ姫が何を「暢気な!」と言ってるのだか、分かりませんでした。

「それは、彼の地の方にとって、愛する人に贈る大切な物だというでは無いですかっ!!言わば、殿方にとっては求愛の証、女にとっては愛されている証ですよねっ!?その、大事なサクナ様からの愛の証を、このように気軽にお茶会に出してしまうなどっ…婚約者として、よろしいのですかっ!?!」
(ああ…そう言えばレンブは、タンム様が説明した時、すっごい感激してたっけ…)と思い出しながら、スグリ姫はレンブ姫にひらひら手を振りました。

「あー、そっかそっか。いーのいーの、もともと作ったの私だし。」

「…え?」
「…え?…あー、そうそう!!お茶に入れたの、私だから!私が飲んだお裾分けですから、お気になさらなくてよろしくてよっっ」

彼の地では女子には作らせないと言われている物を、女子であり遠方の地在住のスグリ姫が作ったと知れるのは、あまり宜しい事ではありません。
このことは、サクナとスグリ姫、姫の侍女として止むを得ないと判断されたバンシルだけの秘密でありました。

(あー、うっかりうっかり。気をつけなくちゃ!)
レンブ姫をなんとか誤魔化したスグリ姫を白い目で見ながら、バンシルが口パクで(そろそろ後先考えることを学んでください。)と、告げてきました。
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