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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第40章 Happily ever after
「そう言えば、サクナ様のお戻りは、いつ頃なのですか?」
スグリ姫の強引な言い訳に納得したらしいレンブ姫は、座り直して、またお喋りに戻りました。

「はっきり決まってないみたいなの。居ない間に仕事が溜まっちゃってるから、って…でも、けっこ…」
「けっこ?」
結婚式までには帰るって言ってた、と言いかけたところでバンシルが茶器をガシャンと言わせる音がしたので、スグリ姫はハッとしました。
(危ない危ない!結婚式に関する言葉は今日は禁止だったあああ!ありがとう、バンシル!)

「けっ…こう早めに帰ってこれるとは、言ってたけどねっ!?」
「それは良うございました」
良かった誤魔化せた、とスグリ姫が胸をなでおろしていると、レンブ姫が思わぬ台詞を投げてきました。

「お義姉様、もしかして、サクナ様がいらっしゃらなくて、お淋しいのでしょう?」
「う」

図星を指されて、姫は一旦青くなり、続いて真っ赤になりました。
サクナの故郷は、行くのに二日、帰るのに二日掛かる、遠方です。
片付けないといけない事があるから短くとも一週間くらいは掛かるかもしれないと、出発前の夜に、言われてはおりました。
そのため、レンブ姫とハンダマ王子に構ったりして気を紛らわせては居ましたが、やはり心の中では、ずっと淋しく思っていたのです。

「…うん、淋しい。」
スグリ姫は意地を張らずに、レンブ姫の言い当てた自分の気持ちを、素直に認めました。

「でも、これから二人で一緒に居るためには、必要なことだもの。我慢しなきゃね」
レンブ姫はスグリ姫を見て、ほうっと溜息を吐きました。
「お義姉様が、羨ましいですわ…」
「え?どうして?レッ…」
レンブの方こそ結婚式を控えて幸せの絶頂でしょ、という言葉は、バンシルの(いいですか、後先考える!!)というアイコンタクトにより、口に出す寸前で飲み込まれました。
「れ?」
「れ…んあいっていろいろあるから、羨ましいってほどじゃ…ほら、私たち特殊なケースだし?」

…なんということでしょう。
スグリ姫はレンブ姫に気を使う余り、墓穴を掘ってしまいました。
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