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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第40章 Happily ever after
「あっ!私としたことが」
不幸中の幸いなことに、うっとりしていたレンブ姫が、我に返ってくれました。
「ごめんなさい、お義姉様。でも、私、お二人を応援しているのです。ハンダマ様がお二人を心から祝福なさらない限り、お許しするもんですか!…って、決めたのですっ!」
「レンブ、有難う」
スグリ姫は、呆然から立ち直って、なんとかお礼を言いました。
それから目の前の冷めたお茶を一気飲みして、頑張って表情筋を総動員して微笑みました。
「でも、どうぞご自身の幸せを優先してね?その方が私も嬉しくってよ」
それは、心からの言葉でした。
ベタベタしすぎだの、目の毒だのと弟に軽く嫌味を言いながらも、婚姻を控えた幸せ一杯の二人には、できれば仲良しで居て欲しかったのです。
というか、レンブ姫がスグリ姫が原因でハンダマ王子を「お許し」しない方が、弟からのスグリ姫への風当たりは、よっぽど強くなるような気が致します。
「お義姉様…やっぱり、素敵…」
弟と義妹の幸せを心から祈っているスグリ姫の耳に、レンブ姫の語尾にハートが着いていそうな、薔薇色の吐息交じりの言葉が聞こえました。
「…愛されている自信に、満ち溢れていらっしゃいますわ…」
「そ、そうかな?」
レンブ姫に先程の「愛に翻弄」並みにうっとりした目を向けられて、スグリ姫はどきっとしました。
「ええ。とってもお綺麗ですし、輝いていらっしゃいましてよ…」
「あ、ありがと、」
スグリ姫は一歩も動いていないのに、レンブ姫とスグリ姫の間の距離は、なせか縮まってきているように思えました。
「…お綺麗って言うか…艶かしい?」
「ちょ、レンブ、」
自分の頬に手を当てて小首をかしげるレンブ姫はとても愛らしい…のですが、いつの間にか姫が触れるくらい近づいて来ています。
「ほら、唇もつやつや」
「レンブ、近い!近いって!!」
手を伸ばしたレンブ姫に唇を撫でられそうになって、スグリ姫は思わず椅子の背ぎりぎりまで後ずさりました。
それをわかっているのかいないのか、レンブ姫はスグリ姫の首筋近くで、くん、と鼻を鳴らしました。
「その上、とっても良い匂い…」
「(うわあああああやめてレンブぅうううう!!!!!!!!)」
「…何なさってるんですか?」
不幸中の幸いなことに、うっとりしていたレンブ姫が、我に返ってくれました。
「ごめんなさい、お義姉様。でも、私、お二人を応援しているのです。ハンダマ様がお二人を心から祝福なさらない限り、お許しするもんですか!…って、決めたのですっ!」
「レンブ、有難う」
スグリ姫は、呆然から立ち直って、なんとかお礼を言いました。
それから目の前の冷めたお茶を一気飲みして、頑張って表情筋を総動員して微笑みました。
「でも、どうぞご自身の幸せを優先してね?その方が私も嬉しくってよ」
それは、心からの言葉でした。
ベタベタしすぎだの、目の毒だのと弟に軽く嫌味を言いながらも、婚姻を控えた幸せ一杯の二人には、できれば仲良しで居て欲しかったのです。
というか、レンブ姫がスグリ姫が原因でハンダマ王子を「お許し」しない方が、弟からのスグリ姫への風当たりは、よっぽど強くなるような気が致します。
「お義姉様…やっぱり、素敵…」
弟と義妹の幸せを心から祈っているスグリ姫の耳に、レンブ姫の語尾にハートが着いていそうな、薔薇色の吐息交じりの言葉が聞こえました。
「…愛されている自信に、満ち溢れていらっしゃいますわ…」
「そ、そうかな?」
レンブ姫に先程の「愛に翻弄」並みにうっとりした目を向けられて、スグリ姫はどきっとしました。
「ええ。とってもお綺麗ですし、輝いていらっしゃいましてよ…」
「あ、ありがと、」
スグリ姫は一歩も動いていないのに、レンブ姫とスグリ姫の間の距離は、なせか縮まってきているように思えました。
「…お綺麗って言うか…艶かしい?」
「ちょ、レンブ、」
自分の頬に手を当てて小首をかしげるレンブ姫はとても愛らしい…のですが、いつの間にか姫が触れるくらい近づいて来ています。
「ほら、唇もつやつや」
「レンブ、近い!近いって!!」
手を伸ばしたレンブ姫に唇を撫でられそうになって、スグリ姫は思わず椅子の背ぎりぎりまで後ずさりました。
それをわかっているのかいないのか、レンブ姫はスグリ姫の首筋近くで、くん、と鼻を鳴らしました。
「その上、とっても良い匂い…」
「(うわあああああやめてレンブぅうううう!!!!!!!!)」
「…何なさってるんですか?」