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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第9章 魔女ツグミ
「呪いだと・・・」
呆然と呟く王の言葉が、しんと静まり返った室内に響き。
深まる夜のを照らしている蝋燭の炎が、微かに揺らぎました。
「ええ。この国の大地を干上がらせ、痩せさせ、枯れ果てさせるのですって」
悪趣味なことですね、と言う言葉とは裏腹に、ツグミは淡々と言いました。
「どうして、そんな」
穏やかで平和なこの国の基盤は、土地の豊かさにもあります。
書状の、黒い魔女の思惑通りに大地が干上がり、痩せ、枯れ果てれば、平穏は長くは続かないでしょう。
「何故こんなくだらないことをしてきたのかは、これがもう亡くなっているので分かりませぬ」
事態を飲み込めない王や副大臣と異なり、ツグミは落ち着いているようでした。
「・・・何故かはわかりませぬが、ひとつだけ、分かっていることがございます」
しかし、見るものが見れば、淡々としているように見えるその目が、怒りを湛えていることに気が付いたでしょう。
「分かっていることとは、何だ?」
「これは、黒い魔女の中でも、腕利きの者の手によるものです」
王の問いに答えるツグミの瞳は、今や爛々と、燃えるようでした。
「それが死を対価としてかけた呪いを取り除くことは、他の誰にもできません」
呆然と呟く王の言葉が、しんと静まり返った室内に響き。
深まる夜のを照らしている蝋燭の炎が、微かに揺らぎました。
「ええ。この国の大地を干上がらせ、痩せさせ、枯れ果てさせるのですって」
悪趣味なことですね、と言う言葉とは裏腹に、ツグミは淡々と言いました。
「どうして、そんな」
穏やかで平和なこの国の基盤は、土地の豊かさにもあります。
書状の、黒い魔女の思惑通りに大地が干上がり、痩せ、枯れ果てれば、平穏は長くは続かないでしょう。
「何故こんなくだらないことをしてきたのかは、これがもう亡くなっているので分かりませぬ」
事態を飲み込めない王や副大臣と異なり、ツグミは落ち着いているようでした。
「・・・何故かはわかりませぬが、ひとつだけ、分かっていることがございます」
しかし、見るものが見れば、淡々としているように見えるその目が、怒りを湛えていることに気が付いたでしょう。
「分かっていることとは、何だ?」
「これは、黒い魔女の中でも、腕利きの者の手によるものです」
王の問いに答えるツグミの瞳は、今や爛々と、燃えるようでした。
「それが死を対価としてかけた呪いを取り除くことは、他の誰にもできません」