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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第12章 99人目の道場破・・・もとい、釣書き
「!!道場破り言うなあ!!」
差し出された書状を払いのけながら、スグリ姫は弟を睨み付けました。
「ひっどいなあ、姉様。これでも気を使ってるのに」
「どこがよ!!」
弟の何食わぬ一言に、姫は更に噛み付き、喉渇いた!と言って、ハンダマの前に置かれたお茶を一気飲みしました。
「そこは、ほら。あからさまに言ったら、いくら身内でも、ねえ」
王子は姉に自分のお茶を取られてもまったく気にせず、飄々と嘯いています。
「ハンダマ様。そこは普通に『婚約者候補への応募が来た』と、言えばいいのでは」
姫が一気飲みしたお茶の代わりにハンダマのお茶を淹れなおしていた侍女のバンシルが、抑揚の無い声で言いました。
「うんそうだね、バンシル。やり直してみるね」
王子は姉が床に落とした書状を拾い上げ、埃をはたきました。
そして咳払いをして、にこっと笑って、言いました。
「姉様~。久しぶりに、フィアンセコーホヘノオーボが来ましたよ~。」
「なんやそれ!なんやそのあからさまな棒読み!!」
姫はとうとう、座っていた長椅子に突っ伏しました。
スグリ姫は、26歳です。
26だろうが50だろうが年増だろうが熟女だろうが、人妻だったら、全然問題なかったのです。
けれど、姫は未だに「姫」でした。
姫と言うことは、嫁に行っていないという事です。
この時代のこの国で嫁に行っていない26は、かなーり、肩身の狭い存在でした。
差し出された書状を払いのけながら、スグリ姫は弟を睨み付けました。
「ひっどいなあ、姉様。これでも気を使ってるのに」
「どこがよ!!」
弟の何食わぬ一言に、姫は更に噛み付き、喉渇いた!と言って、ハンダマの前に置かれたお茶を一気飲みしました。
「そこは、ほら。あからさまに言ったら、いくら身内でも、ねえ」
王子は姉に自分のお茶を取られてもまったく気にせず、飄々と嘯いています。
「ハンダマ様。そこは普通に『婚約者候補への応募が来た』と、言えばいいのでは」
姫が一気飲みしたお茶の代わりにハンダマのお茶を淹れなおしていた侍女のバンシルが、抑揚の無い声で言いました。
「うんそうだね、バンシル。やり直してみるね」
王子は姉が床に落とした書状を拾い上げ、埃をはたきました。
そして咳払いをして、にこっと笑って、言いました。
「姉様~。久しぶりに、フィアンセコーホヘノオーボが来ましたよ~。」
「なんやそれ!なんやそのあからさまな棒読み!!」
姫はとうとう、座っていた長椅子に突っ伏しました。
スグリ姫は、26歳です。
26だろうが50だろうが年増だろうが熟女だろうが、人妻だったら、全然問題なかったのです。
けれど、姫は未だに「姫」でした。
姫と言うことは、嫁に行っていないという事です。
この時代のこの国で嫁に行っていない26は、かなーり、肩身の狭い存在でした。