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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第12章 99人目の道場破・・・もとい、釣書き
「うううううう・・・もうお嫁にいけない・・・このまま、嫌味な小姑になるんだわ・・・」
(うんもうなってる)
ぐずぐずと泣き真似をする姉を見たハンダマ王子は、心の声を飲み込みました。
そんなことを口に出したら、大変なことになってしまいます。
秋口に迫った自分の結婚も、邪魔されてしまうかもしれません。
ここはひとつ、自分たちのためにも、姉様にさっさと幸せになってもらわねば。
ハンダマはそう思い、気を取り直しました。

「姉様ー、だから、婚約者候補への応募がきたって言ったでしょ?見てごらん、なかなか有望そうな人だよ、ほら」

(っあー、めんどくさっ。)
目の前で茶番を繰り広げる姉と弟を見て、侍女のバンシルは思いました。
バンシルはスグリ姫の乳兄弟で、幼い頃から一緒に育ち、姫が16歳になったときに、姫付きの侍女となったのです。
それから、もう10年。

(姫様の特異体質がこんなにこじれるとは、思わなかったわ…)
バンシルは99人目の婚約者候補の釣り書きを弟王子に見せられているスグリ姫を見ながら、姫が最初の婚約者候補と会った頃のことを、思い出していました。

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