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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第13章 スグリ姫、はじめてのお見合い
スグリ姫に初めてお見合いの話が来たのは、姫が16のときでした。


この国のお見合いでは、家柄、性格、会話の相性や趣味の相性等と共に、肉体的な相性もしっかりと確認されます。
他の事の相性の全てがよろしくても、結婚してから体の相性が悪かったことが分かっては、男女共に不幸なこと。
確認を終えておけば、少なくとも「性の不一致」という離婚理由は、避けることが出来る。
この国ではそういう考え方が普通であり、そのため、恋愛でも見合いでも、婚前交渉無くして結婚すると言うことは、有り得なかったのでございます。
ですので、スグリ姫のお見合いの場合も、しっかり「肉体的相性の確認」が含まれておりました。

ところで。
スグリ姫に呪いがかかっていることは、王と后と副大臣、それに大臣の間での秘密として、育てられました。
理由のひとつは、国民を動揺させないため。
もうひとつの理由は、呪いがどんなものになるのか、成長するまで分からなかったからです。
姫がこの国の成人である16を迎え、結婚相手を探し始めたときにも、呪いの内容は分からないままでした。
そして、お見合いは、釣り書きを元に相性を確認する→会ってみて趣味や性格の相性を確認する→食事を共にして食の好みの相性を確認する、と進み。
ついに、肉体的な相性を確認する日を、迎えたのでありました。

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