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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第13章 スグリ姫、はじめてのお見合い
「あれ?まだ下着つけてないよ」
お湯を使って身を清め、いい香りのする油を肌と髪に塗り、お見合いの最後の夜のために美しく整えられた姫は、仕上げに絹のローブを纏わされました。
ローブを纏わされたのですが、その下はすっぽんぽん。
下着は忘れられちゃったのだろうか、と姫は訝しく思いました。
「姫様。今宵は下着は必要ないのです」
ベテランの侍女にそう言われて、スグリ姫は一瞬頭の中が疑問符で一杯になりました。
いつも身の回りの世話をしてくれるバンシルは、なぜか今日は休んでいます。
こんな大事な日に休むなんて、とスグリ姫は心の中でバンシルに八つ当たりをしました。
「必要ないって、なんで?」
「なんでかは、婚約者さまが教えてくださいますよ」
そう言われたスグリ姫は、先日会った婚約者候補を思い浮かべました。
10年上と言っていましたが、スグリ姫には、それ以上のおじさんに見えました。
(優しくて紳士そうだけど、一緒に居ても全然つまらなかったっけ)
遊んでくれるわけでもないし、スグリ姫の趣味である手仕事にも興味がなさそう。
ただニコニコとしているだけの婚約者候補と過ごすのは、すぐに飽きてしまいました。
この縁談は、父である王に押し切られて決まったもの。
スグリ姫自身は、まだまだお嫁になど行きたくありませんでしたし、そもそもお嫁に行くというのがどういうことかも、よく分かっては居ませんでした。
(お母様は止めてくださったのに、心配性のお父様が聞かなかったのよねー)
お支度が済んでお見合い専用の部屋に案内されながら、スグリ姫は父王に心の中でぶつぶつ文句を言いました。
スグリ姫の両親である王とお后は、子どもたちへの対応に関しては、見た目に反した性格をしていました。
優しく物静かな母は意外と豪胆で放任主義、豪放磊落に見える父は心配性で世話焼きだったのです。
(まあ、なるようになるわね)
不安を振り払うように、スグリ姫は軽く頭を振りました。
(結局はお母様も、「相手の方にお任せしなさい」ってことだったもの)
お湯を使って身を清め、いい香りのする油を肌と髪に塗り、お見合いの最後の夜のために美しく整えられた姫は、仕上げに絹のローブを纏わされました。
ローブを纏わされたのですが、その下はすっぽんぽん。
下着は忘れられちゃったのだろうか、と姫は訝しく思いました。
「姫様。今宵は下着は必要ないのです」
ベテランの侍女にそう言われて、スグリ姫は一瞬頭の中が疑問符で一杯になりました。
いつも身の回りの世話をしてくれるバンシルは、なぜか今日は休んでいます。
こんな大事な日に休むなんて、とスグリ姫は心の中でバンシルに八つ当たりをしました。
「必要ないって、なんで?」
「なんでかは、婚約者さまが教えてくださいますよ」
そう言われたスグリ姫は、先日会った婚約者候補を思い浮かべました。
10年上と言っていましたが、スグリ姫には、それ以上のおじさんに見えました。
(優しくて紳士そうだけど、一緒に居ても全然つまらなかったっけ)
遊んでくれるわけでもないし、スグリ姫の趣味である手仕事にも興味がなさそう。
ただニコニコとしているだけの婚約者候補と過ごすのは、すぐに飽きてしまいました。
この縁談は、父である王に押し切られて決まったもの。
スグリ姫自身は、まだまだお嫁になど行きたくありませんでしたし、そもそもお嫁に行くというのがどういうことかも、よく分かっては居ませんでした。
(お母様は止めてくださったのに、心配性のお父様が聞かなかったのよねー)
お支度が済んでお見合い専用の部屋に案内されながら、スグリ姫は父王に心の中でぶつぶつ文句を言いました。
スグリ姫の両親である王とお后は、子どもたちへの対応に関しては、見た目に反した性格をしていました。
優しく物静かな母は意外と豪胆で放任主義、豪放磊落に見える父は心配性で世話焼きだったのです。
(まあ、なるようになるわね)
不安を振り払うように、スグリ姫は軽く頭を振りました。
(結局はお母様も、「相手の方にお任せしなさい」ってことだったもの)