この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第13章 スグリ姫、はじめてのお見合い
「あれ?まだ下着つけてないよ」

お湯を使って身を清め、いい香りのする油を肌と髪に塗り、お見合いの最後の夜のために美しく整えられた姫は、仕上げに絹のローブを纏わされました。
ローブを纏わされたのですが、その下はすっぽんぽん。
下着は忘れられちゃったのだろうか、と姫は訝しく思いました。

「姫様。今宵は下着は必要ないのです」

ベテランの侍女にそう言われて、スグリ姫は一瞬頭の中が疑問符で一杯になりました。
いつも身の回りの世話をしてくれるバンシルは、なぜか今日は休んでいます。
こんな大事な日に休むなんて、とスグリ姫は心の中でバンシルに八つ当たりをしました。

「必要ないって、なんで?」
「なんでかは、婚約者さまが教えてくださいますよ」

そう言われたスグリ姫は、先日会った婚約者候補を思い浮かべました。
10年上と言っていましたが、スグリ姫には、それ以上のおじさんに見えました。

(優しくて紳士そうだけど、一緒に居ても全然つまらなかったっけ)

遊んでくれるわけでもないし、スグリ姫の趣味である手仕事にも興味がなさそう。
ただニコニコとしているだけの婚約者候補と過ごすのは、すぐに飽きてしまいました。
この縁談は、父である王に押し切られて決まったもの。
スグリ姫自身は、まだまだお嫁になど行きたくありませんでしたし、そもそもお嫁に行くというのがどういうことかも、よく分かっては居ませんでした。

(お母様は止めてくださったのに、心配性のお父様が聞かなかったのよねー)

お支度が済んでお見合い専用の部屋に案内されながら、スグリ姫は父王に心の中でぶつぶつ文句を言いました。
スグリ姫の両親である王とお后は、子どもたちへの対応に関しては、見た目に反した性格をしていました。
優しく物静かな母は意外と豪胆で放任主義、豪放磊落に見える父は心配性で世話焼きだったのです。

(まあ、なるようになるわね)

不安を振り払うように、スグリ姫は軽く頭を振りました。

(結局はお母様も、「相手の方にお任せしなさい」ってことだったもの)
/162ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ