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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第13章 スグリ姫、はじめてのお見合い
先程から、ちゅうっと吸われても、ぺろぺろ舐められても、触られた時のように、お腹の底から笑いが沸いてくることは、ありません。
触られるのがダメなのか、それとも、少し慣れたから、くすぐったくなくなったのか。

(どちらにしても、このままだったら、落ち着いてお任せしていられそう)
姫は、ほっとしました。
そんなことを考えていると、唇はそのうち、胸のあたりにたどり着きました。

「綺麗だ」

久しぶりに、婚約者様の声が聞こえました。
何が綺麗なんだろうと思っていたら、おっぱいの先っぽを、ちゅっと吸われました。

(うわ、赤ちゃんみたい!吸っても何もでないよー!)
おかしくて噴出しそうになったのも、束の間。

「っひゃあ!」
吸っていないほうのおっぱいが、婚約者様の指に、きゅっと摘まれました。

(あああああああくすぐったいくすぐったいくすぐったい!!!!)
くすぐったい地獄、再び。
こうしてみると、先程は慣れたから平気になったのではなく、触られるのがくすぐったいようです。
おっぱいだって、摘まれたのだから痛いと感じてもいいはずなのに、ひたすら、くすぐったいのです。
くすぐったくてくすぐったくて、そして、そんな自分のことおかしくておかしくてたまらないのですが、ここで笑うわけには行きません。
スグリ姫は笑いをこらえるのが辛過ぎて、お腹のあたりが引きつりそうになりました。

「大丈夫かい?」

スグリ姫の異変に気が付いたのか、婚約者様が突然おっぱいから離れて聞いてきました。
スグリ姫は突然の問いかけにびっくりしすぎて、呼吸がゼーゼーしました。
婚約者様を見ると、真面目な顔をしています。
さっき「おっぱいを吸う」なんていう赤ん坊じみたことをしていたのに、怖いくらい真剣そうです。
こんな顔をしている人に、触られるとくすぐったすぎて笑いたくて笑いたくてたまらないことなど、言えるはずがありません。

「貴方様の御手が、少し・・・冷たくて、びっくりして」
スグリ姫は適当な理由をつけて、誤魔化しました。
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