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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第14章 侍女バンシルの回想
スグリ姫の最初のお見合いのとき、バンシルは途中までは、姫に付き添っておりました。
姫に見せられた釣り書きによると、お見合い相手の絵姿はなかなかの男前で、王家とも釣り合う家柄の出の、素晴らしい経歴のある殿方のようでした。
ただひとつ気になったのは、姫や自分とは10歳離れていること。
あろうことか姫は、お見合い相手の年齢を見て、「おじさんじゃん」と言い放ちました。
しかし、その後お見合い話が進むにつれて、姫からは「お菓子をもらった」だの「ちょっと趣味が合わない」だの、それなりに楽しげな報告があるようになりました。
そのお見合いの、最終段階の前日。
バンシルは年配の侍女頭に呼ばれて、明日は休みを取って実家に帰って一泊してくるようにと告げられました。
「何故ですか?」
姫に、最後の日は絶対に一緒に居てと言われていたバンシルは、侍女頭に聞きました。
「お前には、まだ早い。荷が重いだろうよ、バンシル」
そんな曖昧な説明で、納得したわけでは、ありませんでしたが。
それ以上なんの理由も聞かされること無く、バンシルは翌朝叩き起こされ、弁当を持たされ、馬車に押し込められ。
一泊二日で、実家に帰ることになりました。
姫に見せられた釣り書きによると、お見合い相手の絵姿はなかなかの男前で、王家とも釣り合う家柄の出の、素晴らしい経歴のある殿方のようでした。
ただひとつ気になったのは、姫や自分とは10歳離れていること。
あろうことか姫は、お見合い相手の年齢を見て、「おじさんじゃん」と言い放ちました。
しかし、その後お見合い話が進むにつれて、姫からは「お菓子をもらった」だの「ちょっと趣味が合わない」だの、それなりに楽しげな報告があるようになりました。
そのお見合いの、最終段階の前日。
バンシルは年配の侍女頭に呼ばれて、明日は休みを取って実家に帰って一泊してくるようにと告げられました。
「何故ですか?」
姫に、最後の日は絶対に一緒に居てと言われていたバンシルは、侍女頭に聞きました。
「お前には、まだ早い。荷が重いだろうよ、バンシル」
そんな曖昧な説明で、納得したわけでは、ありませんでしたが。
それ以上なんの理由も聞かされること無く、バンシルは翌朝叩き起こされ、弁当を持たされ、馬車に押し込められ。
一泊二日で、実家に帰ることになりました。