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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第17章 99人目の婚約者
「初めまして、スグリ姫、ハンダマ王子」

支度が整ってしばらくの後、99人目のお見合い相手が城に着いたと知らせがありました。
堅苦しくない状態で会おうということで、弟のハンダマと応接の間で待っていると、従者を伴ったお見合い相手が現れました。

「私は南の地を収めるよう仰せつかっております、タンムと申します。お招きに預かり、恐悦至極に存じます」
にっこり笑う殿方は、少し癖のある濃い茶色の髪に、黒い目をしていました。
「初めまして、タンム卿」
「御機嫌よう、タンム様」
(姉様、感じのいい人じゃないか)

相手の殿方をぽやーっと見つめているスグリ姫に、弟王子が目で話しかけます。
スグリ姫のお見合い相手は、99人目。
お見合い歴も、10年目です。
最初はともかく、最近は噂のせいか、在庫が底を突・・・もとい、まだお会いしていない条件の釣り合う殿方が少なくなったせいか、お会いしてみると「え、この人?!」みたいに思うことがしばしば有ったりしたのです。

(そう、よねー・・・)

弟に言われるのは悔しいのですが、確かに今回のお相手は、なかなか好印象だと認めざるを得ません。

(ハンダマより先に、私に挨拶してくれたし)

お見合いの初回には、父である王か、最近は弟である王子が同席することもあるのですが。
姫との見合いであるはずなのに、姫への挨拶は無かったり、姫そっちのけで父や弟に話しかけたりする者もあったのです。
見た目だけでなく、態度も礼儀正しく物柔らかで、なかなか好感が持てます。
あとは、
(・・・あとは、何だっけ?)
タンム卿が弟のハンダマと、当たり障りの無い会話を繰り広げている間。

(うーん、何だっけ、今日のお見合い相手のことで、何か思ったこと・・・)

スグリ姫は、今日のお見合いについて思っていた何か大事なことを、どうしても思い出せずに居ました。

(あー・・・気になる気になる、何だったかな・・・さっき、バンシルと話してた気が)
まるで喉に魚の小骨が引っかかったように気になって仕方が無く、ハンダマが話題を振ってくるのにも上の空の返事しか返せません。
ぐだぐだ考え続けていると、失礼致します、と言う声と共に、扉が静かに開けられました。
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