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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第17章 99人目の婚約者
「お茶をお持ち致しました」
会話の邪魔にならない程度の断りと共に、バンシルがお茶を運んできました。

(バンシルー!!ねえ、さっき言ってたこと何だっけ!?ほら、支度中に!)
靴下の穴じゃなくてー、と心の中でバンシルに話しかけますが、聞こえるわけはありません。
それでも、さすが長い付き合いです。
もぞもぞと挙動不審になっている姫に気付いたバンシルは(姫様こんなときに何やってんですか)と、心の中で冷静に舌打ちしました。

「ありがとう、頂きます」
姫と目を合わせないようにしてお茶を出したバンシルに、お見合い相手のタンム卿はにっこり微笑みました。
そして、お茶のカップを口に運び一口飲んで、今度はスグリ姫に笑いかけました。
「薫り高くて、美味しいお茶ですね。ここまで赴いた疲れも吹っ飛ぶようです」
「ありがとう、ございます」
お茶に対する思わぬ誉め言葉を聞いたスグリ姫は挙動不審もどこへやら、真っ赤になって口ごもりました。

「お世辞抜きで、大変美味しい。これは、淹れ方も上手なのですね」
お茶をもう一口飲んだタンム卿は、傍らに控えていたバンシルに、もう一度笑いかけました。

(うっわー!なんか、如才ない人ー!)
お茶の淹れ方を誉められたバンシルは何食わぬ顔でお辞儀をしていましたが、スグリ姫は、いつも顔色を変えない侍女の変化に目敏く気が付きました。
(おおお、バンシルの耳たぶ、まっかっか!冷静沈着無表情がモットーのバンシルに耳たぶだけでも赤らめさせるなんて、やるなぁ、タンム様!!!)
スグリ姫はタンム卿に対する評価を上げ、バンシルの耳たぶを見ては、こっそりニヤつきました。
そうこうしているうちに、タンム卿はお茶を飲み干し、ご馳走様です、と、満足そうに告げました。

「このお茶は、本当に美味しかった」
そう言いながらバンシルの方にも目をやったので、お辞儀をしたバンシルの耳が、耳たぶ以外もすっかり真っ赤になりました。
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