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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第17章 99人目の婚約者
「そこで、大変図々しいお願いなのですが・・・私の従者にも、お茶を頂くことはできませんか?」
タンム卿はそういうと、傍らの壁際に控えていた従者の方に目をやりました。
「おお。これは、失礼致しました。無論です。従者の方もご一緒に、ぜひどうぞ」
従者は一瞬躊躇いましたが、タンム卿に加えてハンダマ王子にも促され、一同が座っている方に、やってきました。
「これは私と幼い頃から縁の深い者で、名をサクナと申します」
「サクナと申します。お目にかかれまして、恐悦至極に存じます」
タンム卿に紹介されて挨拶した従者サクナは、タンム卿よりもやや暗い、黒に近い目と少し癖のある長めの髪と、浅黒い肌の持ち主でした。
「さあさあ、ご遠慮なく、座ってください。タンム卿にも、お茶のお替りをお持ちしましょう。頼んだよ、バンシル」
ハンダマにそう言われ、バンシルはお茶の用意のために部屋から下がり、サクナは遠慮がちに席に座りました。
サクナが着席した瞬間、何かの匂いがふわっと、スグリ姫の鼻を掠めました。
(あれ・・・?この匂い・・・なんだっけ、えーっと…)
微かに感じたその匂いに気を取られ、スグリ姫はしばらくの間、タンム卿とハンダマ時々サクナの会話に、上の空の生返事を返しまくりました。
そうして、しばらく考えて。
「あーーーっ!そうだっ!!」
「ど、どうかした?姉様」
突然の叫びにハンダマはうろたえ、部屋に戻ってお茶を出していたバンシルはバンシルらしくもなくカップをテーブルに置くときにガチャンと音を立て、タンム卿は目をまんまるに見開き、サクナは眉をひそめました。
「そうだった、そうよ!『果物王国』だったーー!!」
一同の反応を完全にスルーしたスグリ姫は、嬉しげにそう言ったのでありました。
タンム卿はそういうと、傍らの壁際に控えていた従者の方に目をやりました。
「おお。これは、失礼致しました。無論です。従者の方もご一緒に、ぜひどうぞ」
従者は一瞬躊躇いましたが、タンム卿に加えてハンダマ王子にも促され、一同が座っている方に、やってきました。
「これは私と幼い頃から縁の深い者で、名をサクナと申します」
「サクナと申します。お目にかかれまして、恐悦至極に存じます」
タンム卿に紹介されて挨拶した従者サクナは、タンム卿よりもやや暗い、黒に近い目と少し癖のある長めの髪と、浅黒い肌の持ち主でした。
「さあさあ、ご遠慮なく、座ってください。タンム卿にも、お茶のお替りをお持ちしましょう。頼んだよ、バンシル」
ハンダマにそう言われ、バンシルはお茶の用意のために部屋から下がり、サクナは遠慮がちに席に座りました。
サクナが着席した瞬間、何かの匂いがふわっと、スグリ姫の鼻を掠めました。
(あれ・・・?この匂い・・・なんだっけ、えーっと…)
微かに感じたその匂いに気を取られ、スグリ姫はしばらくの間、タンム卿とハンダマ時々サクナの会話に、上の空の生返事を返しまくりました。
そうして、しばらく考えて。
「あーーーっ!そうだっ!!」
「ど、どうかした?姉様」
突然の叫びにハンダマはうろたえ、部屋に戻ってお茶を出していたバンシルはバンシルらしくもなくカップをテーブルに置くときにガチャンと音を立て、タンム卿は目をまんまるに見開き、サクナは眉をひそめました。
「そうだった、そうよ!『果物王国』だったーー!!」
一同の反応を完全にスルーしたスグリ姫は、嬉しげにそう言ったのでありました。