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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第18章 「果物王国」
「ありがとうございます、タンム様!サクナ様、スイカ取りに行きましょう、スイカ!!!!」
人の話を全く聞いていないように見える姫でしたが、「スイカを取りに言ってもいい」というところだけは、耳に入っていたらしく。
お茶のお変わりを豪快に飲み干してさっさと椅子から立ち上がり、サクナの袖を引っ張りました。
袖を引っ張られたサクナは、戸惑うような目をタンム卿に向けました。
タンム卿は、笑いながら頷いています。
「分かった、行こう」
お茶を飲み干し、ご馳走様、と小さく挨拶をすると、相変わらず機嫌が悪そうな顔を隠しもしないサクナは、席を立ちました。
その途端、またふわっと、仄かに甘い香りがします。
(そっかー、果物の匂いなんだ!果物園の当主様は、果物の匂いになるんだー、いいなあ、いいなあ!!)
機嫌の悪そうなサクナに、初めはびくびくしていたスグリ姫でしたが。
目下のところ姫が興味津々な果物を育てているということと、微かに甘い匂いがすること、自分が強引に引っ張ってきても嫌々ながらも振り払わずに付いてきてくれることなどで、すっかり一方的な親しみを感じるようになっておりました。
(果物好きな人に、悪い人は居ないわ!良い匂いのする人にも悪い人は居ないし、何よりお見合い相手のタンム様のお墨付きの従者の方ですもんね!)
袖を引いている相手の顔色などお構い無しに、一人納得した、スグリ姫。
サクナの袖をぐいぐい引いて、階下の食料庫へと向かったのでありました。
人の話を全く聞いていないように見える姫でしたが、「スイカを取りに言ってもいい」というところだけは、耳に入っていたらしく。
お茶のお変わりを豪快に飲み干してさっさと椅子から立ち上がり、サクナの袖を引っ張りました。
袖を引っ張られたサクナは、戸惑うような目をタンム卿に向けました。
タンム卿は、笑いながら頷いています。
「分かった、行こう」
お茶を飲み干し、ご馳走様、と小さく挨拶をすると、相変わらず機嫌が悪そうな顔を隠しもしないサクナは、席を立ちました。
その途端、またふわっと、仄かに甘い香りがします。
(そっかー、果物の匂いなんだ!果物園の当主様は、果物の匂いになるんだー、いいなあ、いいなあ!!)
機嫌の悪そうなサクナに、初めはびくびくしていたスグリ姫でしたが。
目下のところ姫が興味津々な果物を育てているということと、微かに甘い匂いがすること、自分が強引に引っ張ってきても嫌々ながらも振り払わずに付いてきてくれることなどで、すっかり一方的な親しみを感じるようになっておりました。
(果物好きな人に、悪い人は居ないわ!良い匂いのする人にも悪い人は居ないし、何よりお見合い相手のタンム様のお墨付きの従者の方ですもんね!)
袖を引いている相手の顔色などお構い無しに、一人納得した、スグリ姫。
サクナの袖をぐいぐい引いて、階下の食料庫へと向かったのでありました。