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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第19章 スグリ姫の実力
「姫っ!!何やってんだ!!」
「へ?」
大声を出して近寄ってきたサクナを見て、姫は思わず木箱にべたーっと寄りかかり、もたれていた姿勢を正しました。
「そんなことしたら、ほっぺたに傷が付くだろうが!」
なんと、撫でるだけでは満足できなかったのか、姫はざらざらとささくれ立った木箱に、頬擦りしようとしていたのです。
「あ、そっか。ごめん、スイカに夢中で気が付かなかったよ」
ありがとうサクナ、と言われ、サクナは疲労感でがっくりとうなだれました。
「どうしたの?サクナ」
「いや・・・なんでもねぇ」
「そう?・・・あーん、もう、我慢できない!待ちきれないよ~、お願い、早く~」
姫はサクナに纏わりつき、手に持っていた釘抜きを見つけました。
「あ、それで釘を抜くのね!貸して貸して」
姫は、有無を言わさず、サクナの手から素早く釘抜きをひったくります。
「いや、待て!きちんと抜かねぇと釘が曲がって」
抜けなくなるぞ、と言う間もなく。
きゅっシュパきゅっシュパきゅっシュパっ!!と軽快な音を立てて。
スグリ姫は瞬く間に、木箱の蓋の四隅の釘のうち、三本を抜いてしまいました。
「なんか、文句でも?」
「いや、文句無しだ」
釘抜きをくるくる回す姫に、サクナは首を振りました。
「見事なもんだ。あの早さでも、まっすぐ抜けてる」
「ふっふっふ、どうよ!!参ったか!!」
姫はなぜか勝ち誇ったように高笑いして、釘抜きを、はい、とサクナに差し出しました。
「まだ一本あるぞ。全部抜かねぇのか?」
「うん。最後の一本はお願いしてもいい?スイカを初めて見る瞬間に、集中したいの」
そう言うとスイカの箱の横に座り込み、箱の蓋を、じーーーーーっと動かずに、穴が開くほど見つめています。
「へ?」
大声を出して近寄ってきたサクナを見て、姫は思わず木箱にべたーっと寄りかかり、もたれていた姿勢を正しました。
「そんなことしたら、ほっぺたに傷が付くだろうが!」
なんと、撫でるだけでは満足できなかったのか、姫はざらざらとささくれ立った木箱に、頬擦りしようとしていたのです。
「あ、そっか。ごめん、スイカに夢中で気が付かなかったよ」
ありがとうサクナ、と言われ、サクナは疲労感でがっくりとうなだれました。
「どうしたの?サクナ」
「いや・・・なんでもねぇ」
「そう?・・・あーん、もう、我慢できない!待ちきれないよ~、お願い、早く~」
姫はサクナに纏わりつき、手に持っていた釘抜きを見つけました。
「あ、それで釘を抜くのね!貸して貸して」
姫は、有無を言わさず、サクナの手から素早く釘抜きをひったくります。
「いや、待て!きちんと抜かねぇと釘が曲がって」
抜けなくなるぞ、と言う間もなく。
きゅっシュパきゅっシュパきゅっシュパっ!!と軽快な音を立てて。
スグリ姫は瞬く間に、木箱の蓋の四隅の釘のうち、三本を抜いてしまいました。
「なんか、文句でも?」
「いや、文句無しだ」
釘抜きをくるくる回す姫に、サクナは首を振りました。
「見事なもんだ。あの早さでも、まっすぐ抜けてる」
「ふっふっふ、どうよ!!参ったか!!」
姫はなぜか勝ち誇ったように高笑いして、釘抜きを、はい、とサクナに差し出しました。
「まだ一本あるぞ。全部抜かねぇのか?」
「うん。最後の一本はお願いしてもいい?スイカを初めて見る瞬間に、集中したいの」
そう言うとスイカの箱の横に座り込み、箱の蓋を、じーーーーーっと動かずに、穴が開くほど見つめています。