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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第1章 とある「お見合い」

 彼女には多少キツいかもしれませんが、ここまで感じているならもうとっとと挿入して、事を終えてしまおうと考えたのです。
 足の間が未だにがっちりと閉じられているため、彼女の潤みが十分かどうかはわかりませんが、その分彼の方は先程からぬらぬらと涎をこぼし続けています。

 (致し方有るまい……大事なのは、最後まで事を終える事なのだ)

 今日至らなかった点は後で謝罪すれば良いし、今日出来なかったあれやこれやは、ゆっくりと教えて行けばいいのです。
 念のため、暴発しないように気を付けながら軽く触れて確認すると、自身は十分にぬめりを纏っているようでした。
 硬度の点でも、挿入に問題はなさそうです。例え彼女がそれほど濡れていなかったとしても、一度入ってしまえば、徐々に滑りも良くなるでしょう。

 ……あとは。

「……そろそろ……いいかな?……」

 後々のために、彼女の同意を得ておかなくてはなりません。
 彼は体を少しずらして、彼女の耳元に口づけしてから、なおも囁きました。

「あなたが可愛すぎて、もう我慢できそうも無い」
「っ!!」

 胸を触っていた手を背中に回して抱き締めながらすっかり固くなった己を彼女の腹に優しく押し付けると、彼女の体はびくんびくんと跳ねるように反応します。

「どうか、あなたに夢中な私を、許してくれないか……」

 耳朶を甘噛みし、見合いの二つ目の条件である彼女の同意を得るために、口をふさいでいる彼女の手をはずそうとしました。
 ですが、彼女はがっちりと口をふさぎ、真っ赤な顔で目を閉じて、ふるふると首を振るばかりです。
 彼は、戸惑いました。お互いの同意は、見合いの成立のための、必須の手続きです。単なる遊びとは違うのですから、彼女の準備が出来ているからと言って、省略して突っ込んでしまう訳には行きません。

「私の心は、既に貴女の物だ」

 彼は彼女に、自分は既に同意していること、あとは彼女の同意が必要なのだと言うことを女性が好みそうな言い方で告げてみましたが、彼女は首を振るばかりです。ここは力ずくでも仕様が無いと、彼は彼女の両手を掴んで、ぐっと力をこめました。

「お願いだ……誓ってくれないか……私のものになる、と」

 それでも抵抗する彼女の手を、無理矢理ひっぺがした彼は。





 この後、思いも寄らぬ人生を、歩むことになりました。
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