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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第20章 果樹園の魔術師
(しまったーー!お見合い相手をほっといて、スイカと果物細工の初体験を、満喫してたー!)

お見合いの最中に、お相手よりも土産の果物にうつつを抜かして席をはずしっぱなしになる姫が、どこの世界に居るでしょう(ここに居まーす)。
さすがのスグリ姫も、自分のあまりの失礼っぷりに、青くなりました。

「話は後だ。スイカ持って戻るぞ」
史上最大級に眉をひそめているサクナに言われて、姫はぶんぶんうなずきました。

「みなさん、お騒がせしました!またね、ありがとう!!」
サクナが蓋を軽く閉めた木箱を持ち上げている間に、姫は使用人たちに挨拶をしました。

「姫!またいらしてくださいね!」
「ああ、そっちの兄ちゃんも、また来いや!」
「あの、姫様。これいかが致しましょう」
わいわいと挨拶を返してくる人々の中から、リンゴの白鳥と葉っぱを持った女が進み出ました。

「あー!それ!それ、持って帰らなきゃ、ありがとう!」
使用人に頭を下げ、スイカの木箱を抱えて部屋を出たサクナの後ろについていこうとしていた姫は、リンゴでできた二つの果物細工を見て、慌てて方向転換しました。
そしてにっこり笑うと、白鳥と葉っぱを、大事そうに手のひらの上に乗せました。

「サクナサクナ!」
「何だ?」
一旦引き返して白鳥と葉っぱの果物細工を引き取った姫は、走ってサクナに追いつきました。
サクナは姫よりかなり背が高いせいか普段の生活環境のせいか、歩くのが速く、追いつくまでに少し息が切れました。

「あのさー、このリンゴ、箱の中に入れさせて?」
「無理だ、場所が無ぇ」
果物細工が壊れないようにリンゴがあった場所に入れておけばいいのではないかと思った姫の提案を、サクナは一言で却下しました。

「えー!だって、さっきまでその中に入ってたんだから」
「丸のままのリンゴなら、突っ込んでおきゃあ良いけどな。細工切りしちまったものは、壊れねぇように置けるだけの、広い場所が必要なんだ」
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