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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第21章 姫の弟子入り
「質問があります、マイスター。」
「今は、サクナでいい」
早速新しい言葉を使う姫を、サクナが止めました。
「じゃあ、サクナ。条件その一だけど、部屋でやるなら、バンシルには隠すのは無理だと思う」
バンシル、と言われて少し考えたサクナは、姫付きの侍女のことか、と思い出しました。
「…バンシルには、言ってもいい?」
それが無理なら、教わるのは無理です。
姫は上目遣いで恐る恐るサクナにお伺いを立てました。
(あの侍女か。あの侍女は、口が堅そうだ)
サクナは少し考えて、バンシルだけは良い、と答えました。
バンシルが姫が何をやらかしても表情をほとんど変えなかったことは、サクナの印象にも残っていたのです。
「やったー!ありがとう、サクナ!」
姫はスイカを持ったまま、小躍りして喜びました。
「それも止めたほうが良いと思うぞ」
「それ?どれ?」
スイカを持って跳ねていた姫は、もしかしてジャンプ?と聞きました。
「俺の名前の呼び捨てだ」
(見合い相手が自分の従者をーー他の男を馴れ馴れしく呼び捨てしたら、普通男は気に食わねぇだろうよ)
見合い相手が従者にお前呼ばわりされている方が問題だと思うのですが、その事はすっかりスルーされています。
「あー!ごめんごめん!…ではなくて、大変失礼致しました。いつの間にわたくしったら、そのような姫らしくないことを…」
姫はジャンプで持つ位置がずれたスイカを抱えなおして、ほほほほほ、とわざとらしく笑いました。
「ごめんあそばせ、サクナ様。では、タンム様のもとに参りましょう」
しずしずとしとやかに歩き始めた姫本人は、気付きませんでしたが。
姫の手に抱えられたスイカの迫力が、あらゆる姫らしさを、全てぶち壊しておりました。
「今は、サクナでいい」
早速新しい言葉を使う姫を、サクナが止めました。
「じゃあ、サクナ。条件その一だけど、部屋でやるなら、バンシルには隠すのは無理だと思う」
バンシル、と言われて少し考えたサクナは、姫付きの侍女のことか、と思い出しました。
「…バンシルには、言ってもいい?」
それが無理なら、教わるのは無理です。
姫は上目遣いで恐る恐るサクナにお伺いを立てました。
(あの侍女か。あの侍女は、口が堅そうだ)
サクナは少し考えて、バンシルだけは良い、と答えました。
バンシルが姫が何をやらかしても表情をほとんど変えなかったことは、サクナの印象にも残っていたのです。
「やったー!ありがとう、サクナ!」
姫はスイカを持ったまま、小躍りして喜びました。
「それも止めたほうが良いと思うぞ」
「それ?どれ?」
スイカを持って跳ねていた姫は、もしかしてジャンプ?と聞きました。
「俺の名前の呼び捨てだ」
(見合い相手が自分の従者をーー他の男を馴れ馴れしく呼び捨てしたら、普通男は気に食わねぇだろうよ)
見合い相手が従者にお前呼ばわりされている方が問題だと思うのですが、その事はすっかりスルーされています。
「あー!ごめんごめん!…ではなくて、大変失礼致しました。いつの間にわたくしったら、そのような姫らしくないことを…」
姫はジャンプで持つ位置がずれたスイカを抱えなおして、ほほほほほ、とわざとらしく笑いました。
「ごめんあそばせ、サクナ様。では、タンム様のもとに参りましょう」
しずしずとしとやかに歩き始めた姫本人は、気付きませんでしたが。
姫の手に抱えられたスイカの迫力が、あらゆる姫らしさを、全てぶち壊しておりました。