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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第22章 スグリ姫の告白
「さて、姫。お話とは?」


果物細工の弟子入りも叶ったスグリ姫は、スイカを持ってサクナと二人で急いで部屋に戻りました。
部屋で首を長くしていた面々は、タンム卿とサクナを除いて、スイカを見るのは初めてです。
みんな、見たことも無いでっかい果物に大騒ぎ。バンシルでさえ、目を丸くしていました。
あまりの興奮に、お見合いはそっちのけになり…かけました、が。

「それで、お見合いのお話は、このまま進めていただいても宜しいでしょうか」

タンム卿の冷静な確認の一言で、大興奮状態だったスイカ初体験の人々は、はっと我に返りました。

「もちろん宜しいですよね、姉様?」
王と后の代理として見合いを仕切っているハンダマ王子が、あわててスグリ姫に確認しました。

「…ええ、そうね…でも」
スイカを見ていたときのはしゃぎっぷりから一転して、姫は言葉を濁し、煮え切らない態度でもごもご言いました。
ハンダマ王子はそんな姉を見て、タンム卿に提案しました。

「私共としましては、今日じかにお会いしお話して、このままお話を進めたく存じます。ですので、このあとは、少しお二人で話してみてはと思うのですが」
そして、姉である姫の方にも、それで良いかどうか、ちらっと視線を送ります。

「そうですね。そう致しましょうか、姫」
「ええ…わたくしも、タンム様にお話したいこともあるので、そうさせて頂ければと思います」

「では、あとはお二人でごゆるりと。スイカは晩餐のときにでも頂きましょう」
「それでは、スイカは私が運びます」
王子の言葉に、サクナが素早く申し出ました。

「いえいえ、お客様に、そのような…先程はお願いしてしまいましたが、使用人に運ばせましょう」
「いや、お気遣い無く。扱い慣れない果物を運ぶのは大変でしょうし、少し頼みたいこともありますので」

そう告げたサクナがスイカの箱を抱えてタンム卿を見ると、タンム卿は頷きました。
「ハンダマ王子。果物のことは、サクナに任せておけば安心ですよ。…よろしく頼む」
サクナは頷き、お辞儀をして部屋を出て行きました。

「では、私たちも失礼致しますね。ごゆっくりなさってください」
ハンダマ王子とレンブ姫、侍女のバンシルも茶器を持って部屋を出て行き、スグリ姫の部屋に残ったのは、姫とタンム卿だけになりました。
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