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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第22章 スグリ姫の告白
「さて、姫。お話とは?」
一同が出て行った後、タンム卿は姫の方を向いて、にっこり笑いました。
「タンム様。『手合わせの間』は、ご覧になりました?」
先程までの愁いを帯びた表情をなんとか笑顔に変えた姫は、タンム卿に聞きました。
「『手合わせの間』とは?」
「お見合いに使う、特別な部屋ですわ」
鍵は開けてくれている筈なので覗いてみましょう、と言い、姫はタンム卿と一緒に部屋を出ました。
「手合わせの間」は、姫の部屋からそう遠くないところにありました。
白い壁、白い床、白い天蓋つきのベッド。
全てが白い調度でまとめられています。
「ここが『手合わせの間』ですか…」
「はい。お見合いで、閨の相性を確かめる時に使うお部屋なのです」
なるほど、とタンム卿は納得しました。
(あからさまに「婚前交渉で体の相性を確認する」と言うのは、抵抗があるのかもしれないな。それで「手合わせ」という訳か)
タンム卿が周りを見回していると、姫がおずおずと言いました。
「あのー、タンム様…」
「何でしょう、姫」
「『お手合わせ』の前に、聞いていただきたいことがあるんです」
「なんなりと」
タンム卿は姫を目の前にあった長椅子に誘い、姫と並んで腰掛けました。
「タンム様。私、特異体質なんです」
一同が出て行った後、タンム卿は姫の方を向いて、にっこり笑いました。
「タンム様。『手合わせの間』は、ご覧になりました?」
先程までの愁いを帯びた表情をなんとか笑顔に変えた姫は、タンム卿に聞きました。
「『手合わせの間』とは?」
「お見合いに使う、特別な部屋ですわ」
鍵は開けてくれている筈なので覗いてみましょう、と言い、姫はタンム卿と一緒に部屋を出ました。
「手合わせの間」は、姫の部屋からそう遠くないところにありました。
白い壁、白い床、白い天蓋つきのベッド。
全てが白い調度でまとめられています。
「ここが『手合わせの間』ですか…」
「はい。お見合いで、閨の相性を確かめる時に使うお部屋なのです」
なるほど、とタンム卿は納得しました。
(あからさまに「婚前交渉で体の相性を確認する」と言うのは、抵抗があるのかもしれないな。それで「手合わせ」という訳か)
タンム卿が周りを見回していると、姫がおずおずと言いました。
「あのー、タンム様…」
「何でしょう、姫」
「『お手合わせ』の前に、聞いていただきたいことがあるんです」
「なんなりと」
タンム卿は姫を目の前にあった長椅子に誘い、姫と並んで腰掛けました。
「タンム様。私、特異体質なんです」