この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第23章 はじめての果物細工講習
「姫様。そろそろ枕と別れてください」
「ぅ~~~」

タンム卿との最初の顔合わせの翌日。
スグリ姫は寝起きにぐだぐだと枕と戯れて、バンシルに呆れられておりました。

「バンシルぅ~、穴があったら入りたいよ~」
「聞き飽きました。昨日から何回言ってるんです、それ」

姫はお気に入りの枕に顔をうずめながら、昨日のことを思い出しました。
顎を蹴られたにもかかわらず、タンム卿の態度は変わりませんでした。

「っふふ、ごっ…ふふっ…めんっ、なさぃ…」
大変なことをしてしまったのに、笑いが止められない姫に気を悪くすることも無く、床にひざまずいたタンム卿は、姫の手を取っておっしゃいました。

「姫、安心していていいのですよ。私はこのようなことくらいで、あなたを嫌ったりはしません。幸い、舌も噛んでいませんし、ちょっと打っただけです。それよりも、私を信じて秘密を打ち明けて下さったことを、とても嬉しく思いますよ」

そして、さあ部屋に戻りましょう、と部屋まで送ってくださって、また晩餐のときにお目にかかります、と客間に戻って行かれました。
晩餐の時にお会いしたタンム卿の顎は、内出血を起こし、食事もしづらそうで、姫の罪悪感は、再び刺激されたのですが。

「…タンム様って、本当に誠実な方なんだわねー…」

姫の特異体質を聞いて、タンム卿と同じように「気にしない」と言ってくれた殿方は、今までも何人もおりました。
しかし、そのあと、タンム卿のような事前確認や「お手合わせ」で姫の特異体質が尋常ではないことを知ると、その時点でお断りになる殿方が、大半だったのです。
ましてや、蹴っ飛ばしたのに許してくださった殿方は、今までいらっしゃいませんでした(※特殊な趣味の方を除く)。

「誠実っていうか、お人よしなんじゃないでしょうか」
感慨にふける姫の着替えを用意しながら、バンシルが言い放ちました。
「でも、不幸中の幸いでしたね。タンム様が確認なさった足が靴下に大穴の開いた方だったら、穴があったら入りたいどころか即破談でしたよ、は・だ・ん。」
「…バンシル、ひどい…」
そう言いながらも、姫は自分の「姫らしくない」振る舞いに打ちのめされて、また枕にのめりこみました。

「これを機会に、穴の開いた靴下をみみっちく履くのはやめることですね。さあ、そろそろほんとに起きないと、あの無礼な従者が来てしまいますよ」
/162ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ