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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第23章 はじめての果物細工講習
「いいか、右手はこうだ」
「おおっ!マイスター、やっと分かりました!」
「で、左手はこう動かして、右手でナイフの刃を当てて」
すりっ、と少しだけ、リンゴの皮が剥けました。
「わーい、剥けた!マイスター、これ、分かりやすいです!!」
「うん。最初からこうすりゃ良かったな」
やってみろ、と手を離されて、姫は一人で今と同じようにやってみました。
「おおお、剥けていくっ」
じょりっ、じょりじょりっ、と全くリズミカルではない音と感触と共に、リンゴの皮が剥けていきました。
「良し、いいぞ、出来てる」
姫の肩口から覗き込んだままの姿勢で、サクナが嬉しそうに褒めました。
「ままままマイスター、時々すごい厚い皮が出来ます、」
「一回止まれ」
「はははいっ」
皮むきを一回とめた姫は、ふーう、と肩で息をしました。
その姫と向かい合う位置に移動して、やや眉をひそめて姫を見ながら、サクナが言いました。
「お前、息してたか?」
「し、してなかったかも」
(そうか、さっきからなんか苦しかったのは、息が止まっていたからか!)
なるほど!と思いながら、姫はすーはー深呼吸をしました。
「お前は、もうちょっと肩の力を抜け」
「肩、力入ってますかっ!」
カチカチになっているのが見ただけで分かる姫の様子に、サクナの眉は一層ひそめられました。
「とりあえず、リンゴとナイフをそこに置け。…一回息を吸って、吐け」
姫は、リンゴとナイフを置いて、深呼吸しました。
「肩をぎゅーっと上げて、落とせ」
言われたとおりにすると、すとん、と肩の力が抜けました。
「あ。マイスター、息するのが楽になりました」
「ああ。ナイフは刃物だからな。最初は誰でも固くなる」
サクナは少し考えて、姫に聞きました。
「おおっ!マイスター、やっと分かりました!」
「で、左手はこう動かして、右手でナイフの刃を当てて」
すりっ、と少しだけ、リンゴの皮が剥けました。
「わーい、剥けた!マイスター、これ、分かりやすいです!!」
「うん。最初からこうすりゃ良かったな」
やってみろ、と手を離されて、姫は一人で今と同じようにやってみました。
「おおお、剥けていくっ」
じょりっ、じょりじょりっ、と全くリズミカルではない音と感触と共に、リンゴの皮が剥けていきました。
「良し、いいぞ、出来てる」
姫の肩口から覗き込んだままの姿勢で、サクナが嬉しそうに褒めました。
「ままままマイスター、時々すごい厚い皮が出来ます、」
「一回止まれ」
「はははいっ」
皮むきを一回とめた姫は、ふーう、と肩で息をしました。
その姫と向かい合う位置に移動して、やや眉をひそめて姫を見ながら、サクナが言いました。
「お前、息してたか?」
「し、してなかったかも」
(そうか、さっきからなんか苦しかったのは、息が止まっていたからか!)
なるほど!と思いながら、姫はすーはー深呼吸をしました。
「お前は、もうちょっと肩の力を抜け」
「肩、力入ってますかっ!」
カチカチになっているのが見ただけで分かる姫の様子に、サクナの眉は一層ひそめられました。
「とりあえず、リンゴとナイフをそこに置け。…一回息を吸って、吐け」
姫は、リンゴとナイフを置いて、深呼吸しました。
「肩をぎゅーっと上げて、落とせ」
言われたとおりにすると、すとん、と肩の力が抜けました。
「あ。マイスター、息するのが楽になりました」
「ああ。ナイフは刃物だからな。最初は誰でも固くなる」
サクナは少し考えて、姫に聞きました。