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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第24章 はじめてのお手合わせ
南から99人目の婚約者候補様がいらしてから、三日目。

「では始めましょうか、スグリ姫」

「手合わせの間」では、閨の相性の確認のためのお見合いが始まろうとしておりました。

「はい。よろしくお願い致します、タンム様」
スグリ姫とタンム卿は、とりあえず…ということで、長椅子に一緒に座っておりました。
「早速ですが、姫。この前は、お脱がせしようとしたのが、敗因だったのではないかと思うのです」
「それは、そうですね…」

そう言われた姫は、思い出したくない記憶を、引っ張り出してみました。
確かに、タンム卿が姫の服を脱がせようとした手が姫の肌に触れたことが、姫の特異体質にとどめを刺したようです。

「ですから本日は、まずはこのままで試してみるのはいかがでしょう」
「かしこまりました、タンム様。では…よろしく、お願いします」
「…ではありますが」
「はい?」
「靴下と下着と下穿きだけは、お脱ぎ頂いてもよろしいでしょうか」
(オヌギイタダク?オヌギイタダク、お脱ぎ、いただく?)
姫は頭の中で言われたことを咀嚼しました。
「えーと…もしかして、私が自分で脱ぐ?のですか?」
尋ねる姫に、タンム卿はにっこり笑っておっしゃいました。
「ええ。私がお脱がせしては、また同じことになりますので」
(そうか…それも、そうね…)
「そうですわね。…では、失礼して」

姫は立ち上がって、おろしたての靴下に手をかけました。今日は靴下留めを使っているので、それをひとつずつ外します。
外れたところで、靴下をするすると脱ぎました。
そのあとスカートの中に手を入れて、下穿きに手をかけ…たところで。

「…あの、タンム様…?」
「何でしょう、姫?」
輝くような笑顔で答えるタンム卿は、姫の着替えをじーーーーっと見ておりました。

「あのう、そんなにじっと、ご覧になられては…」
「私は、ご一緒している間は、姫の姿を全て眺めていたいのです」
「…はあ、」
「お相手の姿をよく観察することは、見合いの大切な決め手です」
違いますか?と首を傾けてにっこり微笑まれ、姫は、そうですわね、と頷きました。
「では…失礼します、」
おそるおそるスカートの中に手を入れて、下穿きに手をかけました。
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