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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第24章 はじめてのお手合わせ
「きゃ!」
「おっと、」

結び目が解かれると同時に緩んだ下着がぱさっと音を立てて床に落ち、リボンを解いたタンム卿の手は姫の肌に触れる寸前に、素早く引っ込められました。

「危ない、危ない」

鏡の中では、スグリ姫の胸が戒めから解放されてふるんと揺れているのが、上着の合わせ目からちらりと覗いています。

「せっかく触らないように我慢しているのに、台無しになるところでした」
「えっ、んっ…」

耳元でそう囁いたタンム卿の手が、服の布地の上から、姫の胸に柔らかく触れ始めました。
(…もうちょっと薄い服にしたら良かったかしら…布地が、少し…)
前開きの服をお召しになってきて下さい、と指定されたので選択の余地があまり無く、張りのある生地の服しか見つけられ無かったのです。
胸に感じる刺激のもどかしさに、気を取られていると。
「ふぁあん!」
首筋を、濡れた感触がすーっとなぞっていきました。

「っあ…」
(やはり、そうか。手以外ならば)

「手でなければ…舌や唇は、大丈夫なのですね」
「は、い」
タンム卿は自分の推測が当たっていたことに気を良くして、姫に囁くとそのままぺろりとうなじを舐めました。

「あ!やんっ」
「今までこのように触れられたことは無いのですか?」

両手で胸を掬い上げるように刺激し、唇でうなじから背中にかけてちゅっちゅっと音を立てて吸いながら、タンム卿が姫に聞きました。

「あ、ります、けどっ」
「…けど?」
(こんな、ずっと見られてたことなんて)
姫は居たたまれなくなって顔を伏せてしまいました。
それを見たタンム卿は、小さく笑みを浮かべました。

「姫」
「はい…」
もじもじと答える姫の耳元で、わざと困ったような声を出しました。
「顔を上げてくれなくては、見合いの意味がありません」
「は、い…あっ?!」
姫が顔を上げた時、姫の胸を触っていた手が、先端をかりかりと引っかくような触れ方に変わりました。

「あん!あ、っ」
今までとは違う刺激は、スグリ姫に背中がぞくぞくするような快感をもたらしました。
姫は次第に立っているのが心許なくなって、鏡台の引き出しの縁に両手を付いて、自分の体を支えました。

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