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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第25章 二度目の果物細工講習
「は?何言ってんですか?そりゃあお見合いの方が気楽に決まってますよ、姫様はとにかく笑わなきゃいいだけですもん」

スグリ姫の「お見合いの方が気楽」問題は、ちょろっと相談してみたバンシルの言葉であっさり解決しました。

「でも細工物は、自分で作らないといけないじゃないですか。しかも、あの無愛想名人の目の前でですよ、気楽な訳が無いですよ」
(そりゃ、そうよねー)
姫は目の前の人物の相変わらず不機嫌そうな顔を見ながら、先ほどバンシルに言われた言葉を、噛み締めました。
今日、バンシルは他の仕事で席を外していますが、もしここにバンシルが居たら「ほら、やっぱり今日もこんな気が重くなるような顔してますってば」と目配せしてきたことでしょう。

「今日はこれだ」
姫が全然関係ないことを考えていることに気が付かないサクナは、始まりの挨拶のあとで持っていた箱を開けました。

「わー、オレンジ!」
箱の中には、剥いていない丸のままのオレンジがいくつか入ったおりました。

「あれ?今日は完成見本は無いのね」
「煮たりしないで切るだけだからな」
そういうと、箱からナイフと布を二枚とお皿、それからオレンジをひとつ取り出しました。
テーブルに布を一枚敷いてお皿を置いて、その上でオレンジにナイフを入れました。

「…オレンジをひっくり返して、真ん中を残して縦と横を切る、」
リンゴ剥きが速すぎたことで反省をしたのか、今日はゆっくり説明しながら切っていきます。
「…で、出来上がりだ」
「わー!籠だ!!!」
オレンジの皮が籠のようになって、中に小さく切られた果肉が盛られています。

「ついでに、皮剥きもやる」
籠にしたのとは別のオレンジを手に取って、ゆっくりと皮を剥きました。
「あれ?これは、するするっと剥けないのねー」
「リンゴより皮が固いからな」
皮を全部剥き終えると、果肉にナイフを入れました。
「食べてみろ」
お皿に盛られたオレンジを差し出された姫は、手でひとつ摘まんで、口に入れました。
「あ、間の皮が無い!皮が無いオレンジは、こうやって作ってるのね!」
「籠は籠で作って中身は中身でこうしておくと食べやすいだろ」
「なるほど…さすが果物王国」
「またそれか」
サクナは苦笑しながら、籠の前にまず皮剥いてみろ、とオレンジとナイフを姫に差し出しました。

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