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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第25章 二度目の果物細工講習
「よしっ!やります、マイスター!」
姫はそう言って、オレンジにナイフを当て…ますが。
(わ、ほんとだ!固い)
先に言われていた通り、オレンジの皮は、リンゴとは手ごたえが違います。
それでも姫はざりっざりっと、オレンジを剥いていきまし…
「マイスター!」
「どうした」
剥けているように見えているが、と思いながら、サクナは姫に近付いて、手元を覗き込みました。
「このオレンジ、剥いてもオレンジになりません!!」
「…あ?」
剥いたところを見せられて、サクナは合点が行きました。
そして、オレンジが剥いても白い理由を、姫に説明しようとしました…が。
「ねえ、これ、もしかして、白いオレンジ?」
「え。」
姫に思いも寄らないことを恐る恐る聞かれて、サクナは絶句しました。
「でも、オレンジはオレンジだからオレンジなのよね?これ、白いけど…白くって、オレンジじゃなくっても、ちゃんとオレンジ?」
「…くっ」
オレンジは白くてもオレンジと言えるのかを真顔で心配する姫を見て、サクナは思わず吹き出しました。
「…うくっ…」
初めてで知らないのだから、笑っては失礼だとは、思うのですが。
「あー!もしかして、笑ってる?!また笑ってるー!」
私またなんか面白いこと言った?!と、姫はむくれています。
「…悪い。すまない。大丈夫だ。面白くない。普通だ。よく有ることだ」
サクナは真顔を作って否定しましたが、矢継ぎ早すぎるのがかえって怪しさを増しています。
「…白いオレンジは、よくあるの?」
姫からおずおずと、またしてもオレンジは白くてもオレンジか発言が繰り出され、サクナの顔は引きつりました。が、二度目だったので、笑いはなんとか堪えることができました。
「…と言うか、こうやって剥けば、みんな白いオレンジになる。オレンジの皮は厚いだろ。皮の表面はオレンジ色だけど、中に白い層があるんだ」
そう言うと、リンゴのときのように姫の後ろに回って手に手を添えて、皮に当てるナイフの角度を調整し、少しだけナイフを進めて、剥きました。
「ほら。ここまでナイフを入れて剥かないと、果肉のオレンジは出てこない」
「あ、ほんとだ!オレンジが、オレンジになっ…!!」
手元に現れた艶やかなオレンジの果肉に、姫は喜んで言いかけました…が。
なぜか突然、固まりました。
姫はそう言って、オレンジにナイフを当て…ますが。
(わ、ほんとだ!固い)
先に言われていた通り、オレンジの皮は、リンゴとは手ごたえが違います。
それでも姫はざりっざりっと、オレンジを剥いていきまし…
「マイスター!」
「どうした」
剥けているように見えているが、と思いながら、サクナは姫に近付いて、手元を覗き込みました。
「このオレンジ、剥いてもオレンジになりません!!」
「…あ?」
剥いたところを見せられて、サクナは合点が行きました。
そして、オレンジが剥いても白い理由を、姫に説明しようとしました…が。
「ねえ、これ、もしかして、白いオレンジ?」
「え。」
姫に思いも寄らないことを恐る恐る聞かれて、サクナは絶句しました。
「でも、オレンジはオレンジだからオレンジなのよね?これ、白いけど…白くって、オレンジじゃなくっても、ちゃんとオレンジ?」
「…くっ」
オレンジは白くてもオレンジと言えるのかを真顔で心配する姫を見て、サクナは思わず吹き出しました。
「…うくっ…」
初めてで知らないのだから、笑っては失礼だとは、思うのですが。
「あー!もしかして、笑ってる?!また笑ってるー!」
私またなんか面白いこと言った?!と、姫はむくれています。
「…悪い。すまない。大丈夫だ。面白くない。普通だ。よく有ることだ」
サクナは真顔を作って否定しましたが、矢継ぎ早すぎるのがかえって怪しさを増しています。
「…白いオレンジは、よくあるの?」
姫からおずおずと、またしてもオレンジは白くてもオレンジか発言が繰り出され、サクナの顔は引きつりました。が、二度目だったので、笑いはなんとか堪えることができました。
「…と言うか、こうやって剥けば、みんな白いオレンジになる。オレンジの皮は厚いだろ。皮の表面はオレンジ色だけど、中に白い層があるんだ」
そう言うと、リンゴのときのように姫の後ろに回って手に手を添えて、皮に当てるナイフの角度を調整し、少しだけナイフを進めて、剥きました。
「ほら。ここまでナイフを入れて剥かないと、果肉のオレンジは出てこない」
「あ、ほんとだ!オレンジが、オレンジになっ…!!」
手元に現れた艶やかなオレンジの果肉に、姫は喜んで言いかけました…が。
なぜか突然、固まりました。