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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第25章 二度目の果物細工講習
「はいっ」
(薄く、うすーく、でも丸く、)
心の中でそう唱えているうちに、姫の頭の中は、オレンジを薄く丸くきれいに切ることだけで一杯になりました。
「出来た!」
オレンジ一個分の薄切りが終わりました。
「よし。どこか、重ならないように並べて干しておける場所はあるか?」
「リンゴの引き出しでも良い?」
姫は鏡台のリンゴをしまってある引き出しを、開けてみました。
リンゴ細工が乾いて小さくなってきているので、隅に寄せれば、オレンジを置く場所が出来そうです。
試しにオレンジを並べてみると、ぎりぎり場所は足りました。
「大丈夫そうだな。オレンジも乾けば縮むから、もっと隙間が出来る」
「うん。オレンジはリンゴよりも香りが強いのね?引き出しに入れてても、なんでオレンジの匂いがするのか聞かれそう」
姫が言うと、サクナも、そうだな、と考え込みました。
果物細工を教わっていることは、バンシル以外の人には内緒と言うのが教わるための条件なのです。
なるべく不審に思われないようにしておかなくてはいけません。
「とりあえず、残りのオレンジを置いていくから、籠盛りにして次まで飾っとけ」
何も無いよりマシだろ、と言うと、姫はうん、と頷きました。
「じゃあ、明後日まで置いておくね…あ。」
明後日、と口に出した瞬間、姫は大事なことを思い出しました。
(薄く、うすーく、でも丸く、)
心の中でそう唱えているうちに、姫の頭の中は、オレンジを薄く丸くきれいに切ることだけで一杯になりました。
「出来た!」
オレンジ一個分の薄切りが終わりました。
「よし。どこか、重ならないように並べて干しておける場所はあるか?」
「リンゴの引き出しでも良い?」
姫は鏡台のリンゴをしまってある引き出しを、開けてみました。
リンゴ細工が乾いて小さくなってきているので、隅に寄せれば、オレンジを置く場所が出来そうです。
試しにオレンジを並べてみると、ぎりぎり場所は足りました。
「大丈夫そうだな。オレンジも乾けば縮むから、もっと隙間が出来る」
「うん。オレンジはリンゴよりも香りが強いのね?引き出しに入れてても、なんでオレンジの匂いがするのか聞かれそう」
姫が言うと、サクナも、そうだな、と考え込みました。
果物細工を教わっていることは、バンシル以外の人には内緒と言うのが教わるための条件なのです。
なるべく不審に思われないようにしておかなくてはいけません。
「とりあえず、残りのオレンジを置いていくから、籠盛りにして次まで飾っとけ」
何も無いよりマシだろ、と言うと、姫はうん、と頷きました。
「じゃあ、明後日まで置いておくね…あ。」
明後日、と口に出した瞬間、姫は大事なことを思い出しました。