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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第26章 女子会は踊る
「…何なさってるんですか?」

見詰め合う姫二人のもとに、バンシルがお茶のお代わりとお皿を持ってやって来ました。
お皿の上には、輪切りにしたオレンジが乗っています。

「わあ!オレンジ?さっきから良い香りがしていたのは、これだったんですね!」
オレンジに目を輝かせたレンブ姫がやっと離れてくれて弟の無駄な嫉妬による命の危機が去り、スグリ姫は、ほっと息を吐きました。

「うん、タンム様のお土産よ。ほら、あそこにも」
スグリ姫は飾ってある籠盛りの果物を指差しました。
「いい香りですわね。果物を飾るって、素敵」
「ええ。見た目も素敵だけど、安眠効果もある気がするのよねー」
昨日からスグリ姫の部屋では、籠盛りから香る香り以上に、引き出しに仕舞ったオレンジが、部屋に香りを放っておりました。
そのおかげなのか、昨日の夜はことのほかぐっすりと眠れたのです。
よく寝た上にすっきりと寝起きが良すぎて、バンシルに熱を測られるほどでした。

「まあ!それはよろしゅうございますわね!私もお部屋に飾ってみようかしら」
婚約者のハンダマ王子がたびたび(というかほぼ毎夜)部屋を訪れているレンブ姫がどのくらい安眠を必要としているかはわかりませんが、レンブ姫は嬉しそうにそう言いました。むしろ王子の訪れのせいで短くなる睡眠時間を有効に使うためには、安眠は必要なものかもしれません。

「これは、オレンジで…こちらは、リンゴですか?」
「ええ。緑のリンゴ。珍しいでしょ」
「我が家の方では、赤と、あと、時々黄色いリンゴがありますけど…緑は初めて見ましたわ」

レンブ姫の話を聞きつつオレンジを切ったものをフォークで一枚自分の皿に取り分けながら、スグリ姫は心の中で(輪切りが厚い!勝った!!)と思っておりました。
この地ではオレンジはただ食べるだけなのですから、この厚さでの輪切りが普通です。勝ったも負けたもありません。

「オレンジは沢山あるけど、リンゴはそれ一つだけなの。今度、みんなが揃っている時に、頂きましょうね」

今日はオレンジを召し上がれ、と。
スグリ姫はレンブ姫に、にっこり笑いかけました。
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