この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第28章 三度目の果物細工講習
「よーし!今日こそ、オレンジの籠を作るぞー!」
「はいはい。頑張ってくださいね」

二度目の「お手合わせ」の翌日。
昨日の夜、「もうちょっとだったのに入らなかった」「どんなことしてももう無理だ」「もう一生結婚できない」とバンシル相手に散々泣き喚いた姫は、姫曰くの「オレンジの安眠効果」のおかげか、すっかり立ち直っておりました。

「バンシルは、今日は?」
「私はこのあとちょっと里に下がらせて頂いて来ます。一番上の兄のとこの赤ん坊が生まれたらしいので」
「え!とうとう?おめでとう!」
姫は手を叩きました。乳兄弟であるバンシルの兄は、姫にとっても親戚同然の親しい人物です。
「まあ、二人目なんで、そんなに大騒ぎってわけでもないんですけどね」
「でもお目出度いわよ。帰りはいつ?」
「今日中には帰りますよ、明日はお見合いですし」

バンシルは、姫のお手合わせの日の支度と終わってからの湯浴み、そのあとに愚痴を聞くところまでは、他の誰かに任せられない、自分の仕事だと思っておりました。
そのため、外へ出るお使いや用事などは、お手合わせの日は避ける様にしているのです。

「せっかくだから、もっとゆっくりして来たらいいのに」
いつものように髪を整えてもらいながら、姫はバンシルに言いました。
「今回はほんとに、顔見せだけなので。また赤ん坊がしっかりした頃に、ゆっくり帰らせていただきますよ」
姫はそれを聞いて、鏡越しにバンシルに言いました。
「ほんとに?!その頃なら、私も一緒に行ってもいいかしら?」
「ええ、もちろん。みんな、喜びますよ」
気にかけていただいてありがとうございます、とバンシルは微笑みました。
「さ、出来ましたよ」
「ありがとう!みんなにもだけど、ベラにもよろしく伝えてね!すっかりご無沙汰しちゃってるから」
バンシルの母親のベラは、スグリ姫の乳母でした。大人になってからは会う機会が少なくなりましたが、慕わしい人であることには変わりありません。
「はい、姫様。母にもよく申し伝えます」
バンシルは姫に、マイスター様にもよろしくお伝えくださいな、とからかった後、出かける準備をするために、姫の部屋から下がっていきました。
/162ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ