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くすくす姫と百人の婚約者(フィアンセ)
第28章 三度目の果物細工講習
「じゃあ、これも」
姫はサクナの真似をして、手に付いていた潰れた実と垂れていた汁を、舌を出してぺろりと舐めました。
「おい!」
「はい?」
サクナの大声に姫がきょとんとすると、サクナはがっくり項垂れました。
「お前…それは、やめろ」
「え!だめ?」
姫は自分の手を見ました。
「もしかして、マイスターが舐めたかった?ごめんなさい、舐める?まだちょっとあるよ、」
「馬鹿かっ!!!それは、拭け!!」
サクナは、舐める?と姫が差し出した手を乱暴に握って、眉をひそめながら布で拭きました。
「あああー!もったいなーい!」
「もったいなくねえ!次だ次!」
(もー。私が先に舐めたくらいで、そんなにぷんぷんしなくてもいいのに!!)
姫は拭われた手を「もったいなかった…」と名残惜しそうに眺め、その間にサクナはオレンジをもうひとつ籠から取ってナイフを持ちました。
「半分やって見せるから、もう半分やってみろ」
そう言うとオレンジの四分の一を切って、籠の持ち手の片側を作りました。
「分かった。こうね…出来たー!」
姫もそれを真似して反対側を切り、持ち手は難無く出来上がりました。
サクナはそれを手に取って、角度を変えて検分しました。
「うん、いいな。・・・いいぞ、上手だ」
「…へ?!」
姫はそれまですっかり、オレンジを切るのに夢中だったのですが。
サクナの言葉で、突然体がかっと熱くなりました。
姫はサクナの真似をして、手に付いていた潰れた実と垂れていた汁を、舌を出してぺろりと舐めました。
「おい!」
「はい?」
サクナの大声に姫がきょとんとすると、サクナはがっくり項垂れました。
「お前…それは、やめろ」
「え!だめ?」
姫は自分の手を見ました。
「もしかして、マイスターが舐めたかった?ごめんなさい、舐める?まだちょっとあるよ、」
「馬鹿かっ!!!それは、拭け!!」
サクナは、舐める?と姫が差し出した手を乱暴に握って、眉をひそめながら布で拭きました。
「あああー!もったいなーい!」
「もったいなくねえ!次だ次!」
(もー。私が先に舐めたくらいで、そんなにぷんぷんしなくてもいいのに!!)
姫は拭われた手を「もったいなかった…」と名残惜しそうに眺め、その間にサクナはオレンジをもうひとつ籠から取ってナイフを持ちました。
「半分やって見せるから、もう半分やってみろ」
そう言うとオレンジの四分の一を切って、籠の持ち手の片側を作りました。
「分かった。こうね…出来たー!」
姫もそれを真似して反対側を切り、持ち手は難無く出来上がりました。
サクナはそれを手に取って、角度を変えて検分しました。
「うん、いいな。・・・いいぞ、上手だ」
「…へ?!」
姫はそれまですっかり、オレンジを切るのに夢中だったのですが。
サクナの言葉で、突然体がかっと熱くなりました。