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道案内
第1章 道案内

「へぇ、じゃあおにーさんはここらへんに住んでるんだ?」
「うん、でも住み始めたのは7年前ぐらい」
公園から目的地までは歩いて10分ぐらいだと男が教えてくれた。二人は歩きながら他愛もない話をした。
女は社交的な性格で、いわゆる誰とでも打ち解けられる“たち”だったが、道案内を先導するこの男とは、初対面とは思えないくらい話が弾んだ。
「じゃあ別のところから引っ越してきたってこと?」
「そう、結婚したからね」
「うひゃー、羨まし〜い! 私も早くしたいッ!!」
女は興奮で腕をぶんぶん振った。
彼女には絶賛お付き合い中の恋人がいる。かれこれ5年の仲で、お互い結婚を意識している。

