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第5章 真実

「ヒロシ君…私ね…あのね。好きな…人が…その人は…」
マリコは僕を真っ直ぐに見つめた。

愛の告白？
マリコから言わせてしまうのか…

「マリちゃん…言わなくても分かるから…大丈夫。マリちゃんの気持ちは分かってるから。」

「え？分かってるの？知ってたの？」

「もちろんさ。マリちゃんと再会した時から僕は、運命を感じていたんだ。」

「いやぁん。すぐに分かってしまった？バレバレだったかしら。」

「うーん。なんとなくね。」

やっぱりマリコは僕に好意を寄せていたんだ。
本当、なんていじらしくて可愛いんだ。

僕はマリコを抱き締めた。

「僕から早く言ってあげたら良かったね。ごめんよ。」

「ううん。いいの。想いが通じていたし…結婚…を…しよう…と」

「結婚？」
わぁ、マリコはそんなに早くしたいのか？
明日にでも離婚届を出さないとな…

「マリちゃん、大好きだよ。」

「ヒロシ君は私に自信をくれたし、勇気も…本当に感謝しているわ。ありがとう。でもこうして会うのはもう、おしまい。」

「もう一緒に暮らす？」

「うん。そうしたい。」

「そんなに早く？そんなに好き？」

「好きよ。とっても。かけがえの無い人よ。」

そんなに僕は想われていたんだ。

「マリちゃん、幸せ？」

「最高に幸せよ。」
恥ずかしげに目を少し伏せながら言った。

マリコ…
佐原さんより僕がマリコを感じさせてあげるよ。
もう、僕が居てあげるから大丈夫だよ。