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あの星に届かなくても
第1章 それぞれの夜
「ちょ、っと……待っ……」
「もう待てないよ!」
「あ、んんっ」
不覚にも感じさせられてしまい、恵まれた男のシンボルを締め上げた。
「リエさっ……もっとよくしてあげるから、これ外してっ」
手枷をがちゃがちゃと鳴らす男。その瞳はまさに飢えた猛獣。放し飼いにするのは危険だ。このままではまずい、と紗恵は思った。早く切り上げてさっさとホテルを出なければ、無駄な労力を費やすことになる。
メッセージのやりとりを始めてから、この男が発する言葉の端々に危ない香りが漂っていることには気づいていた。だが目的を果たすためには手段を選んでいる暇などなかった。
この男の容姿と肉体を認め、寝ることを決めたのは自分だ。うまく乗りこなし、最後までやり遂げる必要がある。すべては計画のために。
「ほらイケよ、イケ!」
その叫びにわざとらしい喘ぎで応えながら、紗恵は男の厚い胸板に覆いかぶさった。隆起した筋肉がぴくりと反応をみせる。
――イクのはあんたよ。早く終わらせて!
胸のふくらみは男の身体に押しつけたまま、腰だけをすばやく上下させて射精を誘う。こういうとき、日頃から鍛えている腰回りの筋肉が役に立つ。
「は、あぁ、リエさんっ」
「ふふ……気持ちいいでしょ」
「あ、うあぁっ」
男は手枷に阻まれながらも、上体を起こそうと頭を上げる。歯を食いしばり、首筋に血管が浮き出るくらい必死に。
近づいたその唇に紗恵は自分のを被せ、貪った。食いしばる力を失くした男は紗恵の舌を容易に受け入れ、送り込まれる唾液を素直に啜った。唇を離してやると、男が荒い呼吸をしながら「もうだめだ」と繰り返す。その情けない声は紗恵の腰の動きに合わせて揺れた。